一等三角点を探し当てた後、宇治岳道を下り、内宮経由で五十鈴川に出ることも念頭にあったが、気が進まなかった。朝熊岳道の倍以上の距離がある。それに人間臭い道のような気がして好きな雰囲気ではなかった(獣かいな)。
そこで朝熊峠に戻り、行きと同じ道を朝熊駅まで下った。行きには5人少しの人に出会った。全員が下ってきていた。朝早くにお参りするのだろう。帰りは誰にも会わなかった。
朝熊駅から鳥羽方面には30分に1本の間隔で普通電車がある。鳥羽は2駅先である。
鳥羽駅で下り、JR側(南側)から駅の外に出た。目指す日和山(ひよりやま)は目の前である。津波時の避難場所になっていた。頂上部までしっかりして道があると確信できた。
登り口は駅前の道路を100メートルばかり伊勢寄り(東)に歩いた地点の左手にある。舗装道路が丘に向かって登っている。
その道を登っていくと、頂上部が公園になっている。といっても、あまり歩かれている様子もなく、当日も1人見かけただけである。
案内板があり、右手のピーク(69メートル)が展望台と表示されている。そこからは鳥羽の港が見える。また「方位石」が設置され、十二支による方位が彫られていた。かつて鳥羽港が重要な位置を占めていたことを示している。
もう一箇所、取手山という砦跡が残されている。鳥羽氏が治め、船から入港銭を徴収していたと書かれている。九鬼水軍とも義兄弟の関係だったとか。それも見学して(といっても外見は丘に登るだけ)、同じ道を下り、駅に戻った。
そうそう、日和山には芭蕉の句碑「鷹ひとつ 見付けてうれし 伊良湖岬」がある。これも書き忘れていたが、金剛證寺にも芭蕉の句碑「神垣や おもひもかけず ねはん像」がある。ともに「笈の小文」にあるとか。
今回のコースタイムも書いておく。朝熊駅9.20、登山口9.30、朝熊峠10.20、分岐10.30、朝熊ヶ岳10.40、経塚山10.50、金剛證寺10.55-11.10、朝熊峠11.30、三角点11.35-40、朝熊峠11.45-50、登山口12.40、朝熊駅12.55。もう1つの山、日和山へは鳥羽駅から10分少しである。
写真は日和山の方位石と展望(答志島?)である。
2020/06/24