コロナのため、物理的に特定の場所に集まって会談、会議、講義などをするのに大きな制約がかかった。ZOOMをはじめ、いろんなソフトを使ったWEB会議が主となり、それへの参加が要請された。その結果はというと、限界はあるが、慣れれば「こんなとこか」である。
WEB会議システム、それなりに便利である。
いまだに政府は、国会などを見ていると物理的に集まっているようだが、事前に質問票を提出させ、それに答える今の方式なら、WEB会議でもいいのではと思う。ヤジを飛ばしにくいので、それが安倍氏を代表とする当事者にとっての難点なのか。それとも、関係省庁の助け舟を得にくいのか。
実際にWEB会議をしていると、一番の問題は音声である。遅延したり耳障りな雑音が入ったりする。この問題は、発言者以外がマイク機能をミュートにすることで、かなり解決できるようだ。
それと、電波環境だろう。機器のある部屋の窓を開けるのが、電波環境を少しだけ改善する。でも、窓を開けると外部から雑音が入る。できるだけ雑音のない音声を聞くには、イヤフォンを使うのがお勧めである。
もう1つ、パソコンなどの機器の優劣が明確になると考えていい。WEB会議の最初の頃、(元日本の一流メーカーとされた会社の)ノートパソコンを使っていたのだが、どうも通信周りの部品をケチっているようで、通信が不安定だった。そこで先日、海外メーカーのスマホを使ったのだが、それがバッチシだった。
残念ながら、メインで使っているデスクトップのパソコンには、カメラ、マイク、スピーカーが不揃いか、付いていても付け足し程度のちゃっちいものでしかない。そこで、買い足して外付けしようとしているのだが、6年程度使っているデスクトップの外付け機能が劣化していて、うまく接続しない事態も生じている。コロナの時代に向け、買い換える時期に来ているのだろう。
以上がWEB会議それ自体の状況である。それで会議や講義は流れるのだが、残念なことにネット上で議論はできない。議論のためには、マイクをミュートにしておくわけにいかない。マイクをオンにし、間髪を入れずに意見を述べてみると、遅延と雑音が頻繁に入ってしまう。画像にも遅延が生じるし、そもそも画像が小さいため、相手の表情が見えない。
そうそう、議論をするために資料を見ようとすると、画面が複数必要になる。本当のところ、機材も複数あるのが望ましい。と、相手からすると、ネット上で喋っている者が、どこの何を(画面や資料を)見ているのか、理解不能になり、不信感にとらわれる。例えば、会議への参加は片手間で、実際はゲームに夢中でないのかと。
WEB会議のシステムは便利で、一方的もしくはそれに近い状態で意思や意見を伝えるのには使えるが、議論し、アイデアを膨らませといった、より生産的な活動には不向きである。将来ネット技術が飛躍的に進歩すれば別なのかもしれないが、当面は対面とネットをいかに組み合わせるのか、その工夫が求められている。
2020/06/17