すでに報じられているように、今年の祇園祭では山と鉾が消える。それに関連する行事がなくなり、10日から始まる山と鉾の組み立てもない。
祇園祭のサイトに入って見てみると、まだ決まっていない行事もある。前祭屏風祭がそれである。商家が家に伝わる屏風などを玄関に飾る行事である。それを見るために人が集まるから、開催が微妙なのだろう。
そんな昨日、長刀鉾の建物(長刀鉾保存会)の前を通った。四条烏丸を少し祇園寄りに歩いた位置、というか祇園祭の時に鉾が建てられる場所である。京都の一等地である。中に入ったことはないが、鉾の一式をはじめ、祇園祭用の資材が保管されているのだろう。
山と鉾を組み立てなくても、祭の行事はいろいろとある。建物に関係者が詰めて作業をしているらしい。前を通ったのはちょうど夕方の5時、5人前後だったか、出入り口から人が出てきた。朝9時過ぎに通った時にはついていた灯りも消えていた。
どうも退社(保存会だから退会か)の時間のようで、最後の3人が鍵を締めている雰囲気だった(写真)。長刀鉾保存会、サラリーマン的な組織なのだろうか。それともバイト的なのか。いずれにしても9時から5時までの勤務のようだと、妙に感心した。
写真にある建物の飾り、つまり幕(幔幕、まんまく)や紙飾り(紙垂、しで)は普段ない。格式ある家や旅館でも玄関にその幔幕が張られている。今年はこれらを楽しむのかなと思ったりする。
2020/07/07