川北英隆のブログ

今年の異常気象は台風にも

報じられていないはずだが、今年の異常気象、長くて大雨の梅雨だけではない。台風の発生数も異常に少ない。5月と6月に1個ずつ、7月はまだゼロである。
5、6月頃まで台風の発生が少ないのは珍しいことではない。気象庁のHPで調べればすぐにわかるように、1月から6月までの合計発生数がゼロの年もある。最近では2016年がそうである。1個とか2個の年は多くなる。問題は、7月がゼロになるかどうかである。
気象庁の統計は1951年から公開されている。それで見ると、7月に台風が発生しなかった年はない。7月の発生数が一番少ないのは、1998年、85年、57年、54年、53年の1個である。このうち、98年と54年を除き、他の年は6月までにそれなりの数の台風が発生している。
7月の発生数が1個の54年は、3月と5月に1個ずつ発生していたにすぎなかったが、8月以降はほぼ平常に戻り、通年で21個になっている。
同じく7月が1個の98年は、実は異常で、それが最初に発生した台風だった。その後も発生数が少なく、年間で16個にすぎない。この16個、2010年の14個に次いで少ない。
今年、2020年に戻ると、今日7/23日現在、台風の影はない。7月の残りは1週間と少し、観測史上初めてのゼロを記録するのだろうか。発生したとしても1個である。そして、年間最少記録を破るのだろうか。
それにしても、台風発生数で見る異常値が、1998年、2010年、2020年とほぼ10年ごとに起きようとしている。やはり100年単位で見て経験したことのない「異常な、ひょっとしてニューノーマルな」気象になりつつあると判断していいのだろう。

2020/07/23


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