少し前、マムシのことを書き、9月の越後駒ヶ岳の下りで一度にたくさん見たことを伝えた。と、先日、大文字山でもよく似た体験をしてしまった。
9月も中旬になると、セミが鳴き止むはずなのに、今年はまだ元気である。ミンミンゼミのミンミンの速度がスローになった気はするが。
そんな声を聞きながら山を上がっていくと、何やら目に飛び込んできた。ヘビが音もなく、くねりながら逃げていった。50センチはあっただろうか、シマヘビである。
「これはねえ」と注意しながらさらに上がると(天気はいいし、上がらざるをえないのだが)、今度は確実に、動く前のヘビをキャッチした。その瞬間、彼(彼女?)がくねりながら動き、山の茂みに消えていった。やはり50センチ級のシマヘビだった。
考えると急に冷え込んだ今年の9月の某日、ヘビも気候の変動に体調を崩し、日向ぼっこしていたのだろうか。思い出すと、影のない日差しではなく、木漏れ日が差し込む、ちょっとした草原にヘビが横たわっていたようだ。
10月に入ると山の朝夕は冷え込む。いよいよヘビも冬支度なのだろう。9月の、まだ少し高い日差しを浴び、体力を温存し、やがて冬眠か。
ヘビのうち、何割が冬を越して新しい春を迎えることができるのか。そういう研究、専門外だから知らない。でも、命をかけて冬を迎えるヘビには申し訳ないなと、浅い知識を恥じてしまう。
2020/09/16