以前から日本の役所というか行政の事大主義的、前近代的なシステムに疑問を持っていたところ、決定的な情報が入ってきた。日本人の居住について、日本本国よりも海外経由で調べたほうが早いとの事実である。
以前にも登場したニッセイ同期入社の光月君、自分の名字のルーツを探していると先々月に書いた(7/18)。その彼が先日、続報を送ってくれた。故郷の周防大島はハワイへの移住者が多く、彼のお爺さんらも移住した経験を持つとか。ルーツ探しのついでというか、一環なのかもしれないが、そのお爺さんらの足跡をたどっていると、意外にもアメリカからの情報によって簡単に判明したらしい。
主要なところを引用すると、「ハワイに行った爺さんや、ロスにいた父の一家のことを・・米国のデータベース・・入国、乗船名簿のコピー、1920、30年国勢調査資料など・・ネットで調べられる・・その住所をGoogle mapに入れると写真まで出てくる・・」とのことだった。当然、過去の記録は紙ベースだから、それをデジタル化したのだろう。
某国のように、今の個人の情報を根掘り葉掘りデジタル化するのはともかく、必要最小限の情報をデジタル化してもらうのに対して、何の反対もしない。
このことで思い出したのは、相続の申告が大変だとの事実である。
経験したのなら分かることだが、相続に際して戸籍関係の書類の入手が大変である。僕の場合、親が生まれた場所、住んでいた場所が異なっていたものの、同じ奈良県内で、しかも吉野とかの遠方ではなかった。このため、出生地と居住地の2箇所に出向くのは面倒だったとはいえ、比較的短距離の移動で済ませられた。
これがもっと遠かったらどうするのだろう。郵便の利用かな。
当時思ったのは、「遅れてる」とのことだけだったが、アメリカの状況を聞くと、日本の異常な後進性を再認識した次第である。何故、誰も、戸籍関係の(役所としては)一番重要な情報をデジタル化しようとしないのだろうか。もらいにいくと、原戸籍という昔の戸籍は、完全に手書き文書のコピーである。そのデジタル化は大変だろうが、たとえばグーグルに頼めば、彼らの趣味として、喜んでやってくれるに違いない。
コロナによって露見した日本の行政システムの異様な遅れ、それが大きな問題になった。相当の予算を注ぎ込んでもいいから、早くデジタル化してほしいと思う。そんな予算でさえ今回のコロナ対策で底をついてしまったとか言うのだろうか。そこまではないだろうに。
いずれにしても役所には知恵を出し、頑張ってほしいものだ。それとも、うつ病患者に「頑張れ」と激励すると逆効果らしいから、「ちょびちょびでええし、やったりーな」かもね。
2020/09/02