展望を楽しんだ後、賤ヶ岳から南に下る。長い、比較的アップダウンの少ない尾根が直線距離にして7キロ近く伸びている。道は、余呉から賤ヶ岳までと比べて少し狭くなるが、普通の登山道と比べてはるかに明瞭である。
ロープウェイの駅を左手に見た後、大きく下り、360.4メートルの三角点のピークまで登り返す。このピークの手前にはクヌギを中心とした立派な林がある。三角点は桧林の中で、湖北丸山のプレートが付けられている。
次の320メートルのピークを超すと、道は南西に折れる。急な下りが始まり、同時に古保利(こほり)古墳群が始まる。小さな丸い土盛りが延々と言っていいくらい、稜線付近に続いている。言われないと古墳だとは思わないだろうが、丸い土盛りは「どういう地形か」と不思議だろう。
下り切ると稜線の標高は150m程度になる。琵琶湖の湖面が85メートルだから、標高差わずか70メートルくらいの細くて低い尾根が、古墳を背中に背負いながら続いている。
その尾根の下を放水路が通ったり、湖畔への道としてトンネルが掘られたりしている。かつて、昭和37年までと書いてあったと記憶しているが、湖畔の村の子供がこの尾根を越え、尾根の東側の小学校に通ったとか。標高差100メートルばかし、鍛えられたのか、辛かったのか。
そのかつての山越えの道跡(峠)を過ぎると山本山への登りとなる。少し急登の箇所もあるが、標高が324メートルだから、大したことはない。山頂は城跡であり、展望台を兼ねた広場となっている。その一角、小高い場所に三角点がある。
山本山、海苔屋みたいな名前だが、麓の地名が山本だから仕方ない。頂上からは琵琶湖の展望がある。木の間から竹生島も見える。
写真は賤ヶ岳の下りから見た山本山へと続く稜線である。非常に目立つ。
2020/09/30