川北英隆のブログ

剣尾山とその周辺を歩く

関西の山は東京圏と比べてアプローチが難しい。そもそも高い山が少ないし、あったとしても、より僻地にある。それと、東京圏に住んでいた頃と比べ、最近はバス便が減ってしまった。
そんな中、今回は金脈を掘り当てたのではないかと自負している。金脈とは、能勢の山域の山々である。それで、能勢と言われても、大阪人以外は「どこや」と思うに違いない。奈良県人としても、能勢なんて、名前を聞いたくらいにすぎず、大人になるまで具体的にどこかはわからなかった。
要するに、大阪の北の外れ、京都と兵庫に囲まれた地域である。丹波ではないのだが(本当かな?)、限りなくそれに近い。幸いなことに(何が?)家内が大阪人なので、その父親の車で正月に、酔っ払いながら能勢の妙見山に行ったことがある。妙見山の山頂一帯が能勢妙見宮の聖域である。
今回歩いたのは、その能勢の北端に近い剣尾(けんび)山、784メートルである。この地域で第3位の標高を誇っている。実は、先週登った半国山と、谷を挟んで斜め向かいの関係にある。半国山の774メートルよりも少し高い。
この山域に入るには、梅田と宝塚を結ぶ阪急宝塚線の川西能勢口駅から、能勢電鉄妙見線に乗り換え、山下駅で降りる。そこからバスである。正真正銘の山と呼べる山へのアプローチと比べ、多少本数は多いものの、それでも事前に調べておかないと時間をロスする。
今回は山下駅から宿野(しゅくの)方面行きに乗り、宿野で降りた。宿野には能勢町の役場がある。そこから歩き、月峯(げっぽう)寺を訪れ、その北側の城山(428メートル)を越え、剣尾山に登った。
剣尾山からは京都側に越え、先週と同じルートで帰ってもよかったのだが、今回は剣尾山の姉妹峰でもある横尾山(785メートル、実はこちらが少し高く、この地域で第2位の標高)まで歩き、能勢側に下りた。
剣尾山から横尾山の山域だが、全般に広葉樹の美しい、また大きな岩がゴロゴロする興味深い地形だった。大阪近郊の山として人気があり、ハイキングコースとなっているのも頷ける。
一方の城山だが、能勢富士とも呼ばれるだけあって形がいい。山頂は城址となっている。それにもかかわらず、道は不明瞭である。しかも山頂付近は急勾配であるため、慣れていないと入るのに苦労するだろう。
写真は剣尾山登山口の下から見た城山である。双耳峰であり、きりっとした姿がいい。この登山道を整備し、史跡や寺社を巡るようにすれば人気が出ると思うのだが、喜ぶのは爺婆だけかな。僕は寺社をついでに訪れただけで喜んではいない(だから爺婆でない)。そう主張しておこう。
20201021能勢城山.jpg

2020/10/21


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