能勢(のせ)の妙見(みょうけん)山は大阪で有名である。阪急宝塚線の川西能勢口駅から能勢電鉄に乗り換え、終点の妙見口駅で降りる。そこからバス、ケーブルカー、ロープウエイと乗り継ぐと、頂上の能勢妙見堂(妙見宮)の下まで運んでくれる。
残念ながら、今回は歩いて妙見山に登ったので、バス、ケーブルカー、ロープウエイの情報はない。それに、奈良県人として、結婚するまで妙見山を知らなかった。カミさんが大阪人なため、車で妙見山に行った(カミさんの父親の運転で)。だから、その時も交通機関の情報はなかった。
以上はともかく、先月、剣尾山に登った時、大阪の北部(兵庫と京都の境付近)に未踏の山がたくさんあり、僕にとっての「山の金脈」だと知った。それ以降、ルートの研究をしているのだが、成果の1つとして妙見山とその南側に未踏の山が3つあることが判明していた。
今回、その研究成果を試すことにした。夕方に仕事が入っていたので、それまでに帰れる山という条件にも合致しそうだった。
妙見口駅までは電車が10分毎にある。便利がいい。そこから先、かつての参道を歩き、上杉尾根の登山口に出る。この尾根もかつての参道である。尾根道は妙見山山頂の駐車場で終わる。舗装道と階段を歩き、妙見山の三角点(660メートル)に着く。
頂上から東に下り、車道を少し歩いて、南の尾根に入る。光明山(639メートル)、天台山(640メートル)を越えると、尾根は南西に向きを変える。最後に青貝山(391メートル)に達し、後は下りである。能勢電鉄ときわ台駅(妙見口駅の1つ手前の駅)に出る。
上杉尾根は広葉樹林が多く、気持ちがいい。紅葉はほとんど終わっていたが、クヌギの類が多いから、赤が少ない。多分、新緑の頃が素晴らしいのではないかと思う。
妙見山から先はハイキングコース的である。道標も多い。しかし、天台山までは(車は多くないが)車道と時々交差して、また植林も点在し、あまり面白みがない。展望も少ない。
その点、低山ながら、青貝山には広葉樹林が残っていた。頂上は木々の葉が落ちた後だったから、南側の展望があった。日溜まりで、ゆっくりと食事をした。
青貝山から下り、駅までは新興(古い開発?)住宅街を歩く。大阪まで1時間くらいで出られるから、開発されたのだろう。駅へは少しややこしいが、地図で確認すれば何とかわかる。
全部で4時間10分かかった。
妙見山までは広い道である。妙見山以降、車の通る道と入り混じった箇所があるものの、地図をちゃんと見れば大丈夫だし、道標もしっかりしている。落ち葉で踏み跡の不明確な箇所も何箇所かあったものの、迷うほどのことはない。踏み跡がずっと不明確なら、間違った証拠である。
上の写真は上杉尾根の常夜灯と背景に妙見山、下は妙見山の東尾根の鳥居である。上杉尾根の南側、谷沿いの道も参道だったようだ。
2020/11/27