日本のコロナ感染者数がじんわりと増えている。ジョンズ・ホプキンス大学のサイトを見ると、9月中旬を底にして、感染者数が再び増加している。第二波が完全に収束しないうちに第三波に突入したようだ。GoToキャンペーンの効果てきめんというわけか。
都道府県別の感染者数を日経新聞がまとめているので、それを毎日見ていると、東京を中心に同心円状に患者数が増えていると感じる。とくに東北、北海道の増え方が他の地域よりも早かった。詳しい情報が得られないので不明だが、GoToキャンペーンが始まり、しばらくして東京もキャンペーンに加わった影響が大きいのだろう。
GoToキャンペーンとは何なのか。一口で言えば、業者も喜び、旅行者である個人も喜ぶ。政府からすれば一石二鳥の人気取り政策である。しかし、残念なことにコロナへの対策ではなく、むしろ「コロナも喜ぶ」一石三鳥か。新常態をイメージした政策でもなく、むしろ旧常態に拘泥する政策である。
そんな「コロナも喜ぶ」政策に大枚をはたいてどうするのか。とくに世界に冠たる借金地獄の中にあり、一銭も無駄にできない日本として、本当に取りうる政策なのか。
コロナで苦しんでいる業者への対策として必要なのは、飲食業であれば小規模業者への店舗改装支援であり、予約システムなどのサイト構築支援だろう。店舗紹介を「なんちゃらログ」などに任せるのではなく、個人店舗を紹介するサイトを地域単位で立ち上げる(かつ、同じ設計思想で作る)ことを支援してもいい。他方、チェーン店は資金があるから勝手に改革していくだろう。
最近、京都市内のドラッグストアの閉店が目立つ。中国観光客が来なくなったから当然である。そもそも、マスクが必要な時にマスクがないドラッグストアなんて、地域に住んでいる者にとって「役立たず」でしかなかった。錦や寺町などの京都の中心部に何軒か置きにドラッグストアを開いてもらう必要なんてゼロ、かえって迷惑である。
それと同様、京都には小さなホテルというか宿泊施設というか、それも多すぎる。新常態に向けて淘汰が進んでいい。
ドラッグストアや飲食のチェーン店が淘汰されると、バイト口が減ってしまうとの懸念がある。しかし、学生を雇う店が潰れるのなら、それは望ましくもある。学生が勉学に打ち込むからである。学費の問題は、GoToキャンペーンに向ける資金を奨学金に振り替えればいい。フリーター的な生活をしている者が困るのであれば、プログラミングをはじめ、新常態に向けた職業訓練に予算を振り向ければいい。
そもそも政府が新常態をどの程度意識しているのだろうか。国会議事堂に議員が一堂に会すのはコロナの時代にふさわしいのか。やじを飛ばし、投票だけする議員が不要だとはいわないまでも、物理的に集まる必要のない議員が多数いるように思える。そういう議員は選出された選挙区の隅々を歩き、民意を集めるべきである。国会にはオンラインで出席すればいい。そうすると、何とか役に立つ。
それと、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議だろうか、テレビを見ていると、数え切れないほどの人数が非常に大きな会議室に集まっている。思うに、そんな人数が集まることが「密」だし、そもそも、1人が1言発言するだけで、何時間も費やしていまう。当然ながら議論にならない。議論しないのなら、物理的に集り、密を作る必然性がない。
言い始めたら切りがないので以上まで。
終わりにジョンズ・ホプキンス大学のサイト、日本の感染者数の推移をアップしておく。日本だけなら同様の図表が厚労省のサイトにもあるが、世界各国を比較できるのがこの大学のサイトの便利なところである。
2020/11/02