川北英隆のブログ

プラスチックごみ対策の変

ようやくプラスチックごみ対策が世界的な話題になった。ようやくと書いたのは、「プラスチックごみ、20年前くらいからあふれていた」からである。とりあえず、プラスチックごみを何とかしようとの気運は良いことだが、日本政府の対応は小手先だけである。
政府として本格的に取り組んだのはレジ袋の廃止、有料化だろう。でもこれ、不便なのは我慢するとして、コンビニなどでは戸惑ってしまう。というのも、自分で持参した袋に買った物を入れるのだが、混んでいると列の方からの白い視線を感じてしまい、焦る。
コンビニに対しては、レジ袋を有料にするのなら、スーパーのように買った物を袋に入れる台の設置を要望したい。それとも店員が紙袋に入れてくれるとか。
そもそも家のプラスチックごみの山を見ていると、レジ袋を廃止したところで大した役に立っていないことがわかる。コンビニに買い物台を要望したところで、狭い店内にそんな場所を確保するのは難しいだろうし。
プラスチック(化学合成材料素材)ごみ対策としてもっと有効であり、かつ日本特有のものはいくつかある。
まず思い出すのは、スーパーなどで売られている食品がプラスチック類で何重にも包装されていることである。ロシア名物の、開けても開けても際限なく出現する人形、マトリョーシカのように(と書きながら、再現のないロシアとの平和条約交渉を思い出したが)、日本の食料品の特徴はぐるぐる巻き包装にある。これを何とかさせるのがレジ袋廃止よりも先でなかったのか。
同じ類だが、菓子類の上げ底包装や過剰包装である。上げ底包装とは、中身がないのに、やたらと大きなプラスチック袋に入った菓子類である。値上げをすると消費者からそっぽを向かれるため、袋を同じにしたまま中身を減らすという苦肉の策というか、疑似詐欺的な行為なのだが(生産者から言わせると、グラム数は表示してあるが)、実態に合わせた袋にしてほしいものだ。
過剰包装とは、袋の中に袋に入った菓子を入れ込む方式である。先のマトリョーシカの真似である。新手の上げ底包装でもある。これこそプラスチックごみが倍増する。完全な禁じ手にしてほしいと政府に要望したい。
プラスチックは生活を豊かにしたのだろうか。イエスでもあり、ノーでもある。紙や金属などへ、プラスチックから戻れるものは戻るのがいい。プラスチックを代替できないのであれば、極力使わないようにすることである。もしくは、自然界の中で分解されるプラスチックが次善の策だろう。

2020/11/09


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