このホコリ、「誇り」ではなく「埃」である。先日(一昨日や昨日ではなく)、東京に出かけ、久しぶりに地下鉄に乗って移動した。大手町駅で降り、東京駅に戻るために地下通路を歩いていて気づいたのが、このホコリである。
東京の大手町では、JRや地下鉄とビルを結ぶため、地下通路の工事を延々とやっていた。まだ完成していない箇所があるかもしれないが(隅から隅まで歩いているわけでないので把握していない)、メインの箇所はほぼ終わったようだ。
そんな地下通路を歩いていて、ふと頭上が気になった。何か。地下通路の天井は比較的低く、かつボードを敷き詰めたような構造になっている。その継ぎ目に黒いものが垂れ下がっているではないか。
天井裏からエイリアンが滲み出てきたわけでない。すべての継ぎ目に大小の垂れ下がり物がある。すぐに、黒い鍾乳石のように、ホコリが逆円錐状に成長しているのだと理解した。ボートの継ぎ目にホコリが引っかかり、成長したらしい。
大手町の地下通路は乗降客で大混雑する。コロナ前の通勤時間帯は酷いものだった。そんな人の流れに乗って、排気ガスや人が持ち込んだホコリなどが漂い、継ぎ目のようなちょっとした出っ張りで一休みする。その一休みのホコリが仲間のホコリを呼ぶ。そのようにして、比較的短い時間で、長く、ぶらんと成長したらしい。
それだけ東京人はホコリの中を歩き回っていることを意味している。コロナが収束したとしても、東京の中心部を歩くにはマスクが必需品かなと思ってしまった。
2020/12/09