本宮ノ峰の名は地形図にないものの、「日本山名総覧」にはある。上醍醐から南に続く尾根上にあり、476.0メートルの三角点がある。醍醐山よりも高い。その尾根を南にたどると、喜撰山を経て宇治川に至る。
登山口としたのは、本宮ノ峰の北側、450メートルのコブから西に派生する稜線である。
見つけた木製の橋を渡ることにする。橋の付近で沢が広くなり、道路からの落差も小さい。橋は相当痛み、苔むしている。行場の尾根のはずだが、醍醐の坊さん、観光に夢中なのかもしれない。
橋を渡り、比較的明瞭な踏み跡をたどって尾根に取り付く。岩(チャートだろうか)の多い稜線である。倒木や岩を巻く箇所もあるが、踏み跡を探せば迷うことはない。樹林に入る手前の岩の上に木組みがある。木の間から第語の開山堂が見える。そこで岩場が終わる。
樹林に入ると尾根の傾斜が緩む。明瞭な踏み跡をたどる。じきに、上醍醐から本宮ノ峰へと南北に続く尾根に突き当たる。この尾根上にも明瞭な踏み跡がある。
尾根上の踏み跡を南に進む。軽く下り、左(東)側の谷に下る道を分ける。行場(岩場)への道のようだ。一登りすると本宮ノ峰だった。広葉樹林の中に三角点がある。展望はない。
本宮ノ峰からは往路を戻る。上がってきた西尾根への分岐を横目で見つつ、北へ向かって下る。下りの途中、鳥居と分岐がある。上醍醐から行場への道のようだ。またの機会に寄ることにして、今回はそのまま尾根を下る。
今回下った尾根、本宮ノ峰の北側、450メートルのコブから北東へ、送電線に向かって伸びる尾根である。ヤマレコの地図に複数の足跡が記されていたので、それをたどりつつ、西笠取の北側の集落(黒出)を目指したのだが、やがて尾根が広くなり、踏み跡が消えた。仕方ないので、植林の中の尾根を下る。伐採された枝などが多いため、歩きやすい箇所を探すのに少し苦労する。
ヤマレコの足跡は送電線をくぐる手前、350メートルの等高線付近から西に向かって谷に向かっているのだが、実際に歩くとそれらしい踏み跡がない。地形図で見るかぎり、尾根は比較的緩やかだと判断できたので、そのまま下ることにした。
送電線をくぐり(はるか上なので見上げつつ確認し)、300メートルの等高線付近まで下ると、尾根を横切るように伸びる明瞭な踏み跡に出た(送電塔の巡視路かも)。その踏み跡を左手にたどると、すぐに谷に出る。そこに上醍醐からの道がある。
その谷沿いの道(巡礼道でもあろう)を下り、やはり朽ちかけた木の橋を渡って車道に出る。黒出の北の外れで、民家がある。車道を北にたどると、醍醐山の北側、横嶺峠に出られる。今回は南にたどり、西笠取を経て笠取山を目指す。
登り口の木の橋から下山した木の橋まで、80分かかった。
上の写真は本宮ノ峰の西尾根にある木製の囲い、下は本宮ノ峰の三角点である。
2020/12/12