分岐からしばらくは舗装だが、やがて地道になる。四駆でないと登れないだろう。道なりに歩き、奥宮神社の南端に出る。岩間山(443メートル)の一角である。
奥宮神社のすぐ下は琵琶湖の展望台となっている。残念ながら当日は霞んでいて、琵琶湖がかすかに見える程度だった。神社にお参りする。狛犬がマスクをしていた。
神社から南に歩く。林の中に入ると左手に廃屋があった。地形図で、岩間山を一周するような道が始まる箇所に相当する。そこから岩間山に直登できそうだったが、せっかくなので岩間寺(正法寺)経由でと考え、岩間山頂上部の西側を回った。植林の中に点在するモミジが美しかった。
寺の一角に入ると、まず大きなカツラに出会う。右手、石段を少し下ると広場と祠があり、カツラの大木と対面できる。カツラらしく、大木の横からいくつもの幹が林立していた。さらに下ると根元近くまで行けそうだったが、それは遠慮した。
戻って寺の境内に入る。頂上に行くには本殿の前を通ることになる。拝観料500円を払い、本尊を拝んだ。札所らしい立派な寺だが、表玄関(石山方面からの車道のある側)の横にコンクリートの建物があり、雰囲気を壊していた。
駐車場の横に頂上に向かう車道がある。左手、常緑広葉樹の目立つ林を見ながら登ると、電波塔のある頂上部に達する。電波塔の少し手前、左手に道があり、頂上に行ける。
頂上は広場になっていて、小さな社と、コンクリート製の大きな観音像がある。どうも趣味の悪そうな寺である。展望はない。
頂上で昼食にした。石田駅を出てからちょうど5時間が経っていた。
頂上からは往路を戻り、駐車場から石山方面への車道を下った。札所らしく、参詣のためだろう、何台かの車に出会った。思い出したのは、両親が三十三所の朱印を集めていたことである。「多分、この道を車で来たのだろう」「石山寺とセットでかな」と思った。
途中、振り返ると岩間山が見える。電波塔が目印である。
大津側の車道歩きは、いつもながらに楽しくない。車の通行が多いのに、歩道のない箇所がある。とくに石山の外れに入り、高速道路と並行して歩く部分は最悪に近い。よく地図を見ると、高速の北側に沿った道が静かで安全そうだったので、それに入って助かったのだが。
石山寺の山門の前を通る。仁王様が立派だった。小学生の時だったか、遠足で訪れたきりのように思ったが、参拝は次の機会にした。今回の目標は寺の左手に見える伽藍山である。
写真、上は東笠取からの岩間山(アンテナのあるピーク)、下は岩間寺のカツラの大木である。
2020/12/12