川北英隆のブログ

信楽の笹ヶ岳往復

東海道本線もそうだったし、草津線もだが、空いていた。学生が冬休みなのだろう。貴生川駅で信楽鉄道に乗り換える。草津線の柘植方面行きと同じホームから出る。信楽鉄道、かつて国鉄だった名残りだろう。ホームの真ん中にJRのICカード用改札機がある。
信楽鉄道も空いていた。薄い霧の中、線路は延々と登っていく。貴生川駅の標高が166メートル、信楽鉄道の最高点が338メートルとある。この長い坂で、かつて鉄道事故があったと記憶している。
紫香楽宮跡駅で登山姿の客が降りた。どこに行くのか。近くに飯道(はんどう)山があるので、それかもと思ってみた。
信楽駅で現金を払って出る。どこにも切符売り場がなかったし、列車はワンマンだから仕方ないだろう。駅を出るとタクシーが複数台待っていた。さすが観光地である。
笹ヶ岳の南新田の登山口を告げたところ、理解してもらえた。信楽の中学校だったか、校歌に登場するとか。ただし、彼自身は登ったことがないとかで、正確な位置を知らなかった。登りに使おうと思っていた西登山口に案内し、降ろしてもらった。2120円だった。
南新田から笹ヶ岳へは西と東の2つの登山道がある。西登山口は村中を通る旧道からスタートする。地形図の実線路(林道的な道)がそれなのだが、標高400メートル付近から地形図の道とは異なり、右手の小さな尾根に上がる。急登である。小さな沢を越し、笹ヶ岳の西側にある640メートル程度の広い尾根に上がる。
後は落葉樹と植林の入り混じった尾根を登るだけである。山の名前のように、下草の笹が素晴らしい。
笹ヶ岳(738メートル)の頂上からは展望は木立の間からである。北側の谷間にはまだ霧が残っていた。東には鈴鹿方面が見えた。
下りは東登山道にした。最初は広葉樹の中、笹が下草の気持ちの良い道である。植林の中に入り、西にトラバース気味に下る。この付近、谷状にえぐれている箇所がある。最後は篠笹の刈払が十分でない箇所もあり、ズボンが濡れた。
西と比べて東登山道の整備が悪いとの事前の情報もあったが、この中腹付近の状況を書いていたのかもしれない。実際に歩いたところ、西と東に大差ない。
東登山道は国道422号線に直接出る。西から東へ、往復1時間20分かかった。
歩道のない国道を900メートルほど伊賀上野方面に歩き、左手の林道に入る。ゲートがあり、車は事前の許可が必要にようだ。すぐに分岐がある。右手にとると京大生存圏研究所の前を通る。研究所の前を通ろうかどうしようか迷ったが、今回は左手の林道をたどり、伊賀市槙山地区の新田に抜けた。この林道、緩やかな谷沿いに付けられ、周囲の山の下草はやはり笹になっている所が多い。散策路としてなかなか良さそうだった。
写真は笹ヶ岳の頂上付近の登山道である。
20201231笹ヶ岳の道.jpg

2020/12/31


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