車道から巡視路に入る。小さな沢沿いの道である。正月明けの寒波による雪が少し残り、ぬかるんだ箇所もある。送電線の下を通るとすぐに沢が分かれる。湿地状になっている。地形図の破線路は324メートルの三角点(点名、上井手)の北側を通っている。どうするか。
沢の分岐から尾根を直接上がることにした。灌木と松の林の中、薄い踏み跡もある。やはり適当に高みを目指し、シダの中に三角点を見つけた。刈払してあったから、趣味人がいるのだろう。「アンタもや」と言われそうだが。
三角点付近から踏み跡が明瞭になる。そのまま稜線を歩くことにしたが、やはり正解だった。そのまま玉川の北側の尾根道に入った。広葉樹林の中、ピークを巻きながらの緩いアップダウンが続き、気持ちがいい。
ヤマレコの地図によると、尾根の中ほど、353メートルの標高点を訪れた跡がいくつか記されていたので、ついでにそこにも立ち寄った。境界の印だけがあり、その他は何もなかった。やはり趣味人による訪問である。
地形図によれば、その小ピークの先から北に向かって南谷川へと下りる道がある。それをたどれば大焼山が近いと考えていたのだが、踏み跡らしきものを見つけられなかった。尾根が広いからかもしれない。
仕方ないので尾根道をそのまま進んだ。この尾根の最高点、380メートルの等高線を越え、次の352メートルの標高点との鞍部に到達すると、そこには北に伸びる明瞭な道があった。地形図に記されている破線路である。今回はそこから南谷川へ下りた。
後から地形図を見ると、歩いてきた尾根は南谷川と玉川の分水嶺となっていて、そのまま尾根を歩き続ければ大焼山の東側に出られる。それが一番良かったかもしれない。
鞍部から少し下りると道は沢沿いになり、南谷川を上ってきた車道と交わる。その車道を南谷川の上流部へ100メートルほど歩き、左(北)へと林道に入る。地形図の実線路である。その林道を300メートルほど歩くと沢が分岐し、林道も荒れ始める。分岐した右側の沢沿いに道がある。最初は荒れた感じだが、すぐに明瞭になり、大焼山の東側の肩に着く。そこから山頂はすぐだった。ただし、イノシシが道を掘り返していて、少し歩きにくかったが。
大焼山の山頂は広葉樹林の中である。前回登った艮山方面の展望を期待したが、それはなかった。昼を少し回っていたのと、座るのにちょうどいい木が転がっていたので、軽く昼食にした。歩き始めてから2時間30分が経過していた。
写真、上は上井手三角点への登りの踏み跡、下は大焼山の山頂である。
2021/01/16