坂本比叡山口駅は日吉大社への参道に面している。また日吉大社は比叡山へのケーブルカーの乗り場のすぐ横である。僕が小学生の頃(調べると1958年)に比叡山ドライブウェイができたのだが、それまでは坂本比叡山口駅と日吉大社が比叡山の完全な表玄関だった。
さらに言えば、今では湖西線比叡山坂本駅もあり、大阪方面からだとこちらが便利なのだが、僕が学生の頃、そんな路線もなかった。
坂本比叡山口駅から日吉大社に向かって歩く。直前のブログにアップしてように、八王子山とその頂上付近の社が圧巻である。大社の手前で右(北)に折れる。角に茶屋がある。
右に折れた車道は西教寺方面に向かい、比叡山の裾野を大きくアップダウンする。東に琵琶湖と三上山があり、その奥に雪をかぶった鈴鹿から伊吹付近が見えた。途中にある西教寺には明智光秀の墓があるとか。
西教寺の先で車道が西にカーブしてU字を描きつつ沢を渡る。その沢の先に「中部北陸自然歩道」の標識があり、少し奥に「松禅院参道近道」の標識があるので、その近道(山道)に入る。峠を越え、沢を渡り、松禅院と不動堂の前を通り、もう一度沢を渡る。
渡った先、左手が横川中堂への登り道である。「浄刹結界趾」の石碑がある。延暦寺の領域だと示しているのだろう。駅からここまで40分である。
道は広いながらも石ころが多い。杉の植林の中だが、何本か太い杉が残されている。途中、急な九十九折になり、稜線に着くのだが、その稜線も急である。35分かかり、横川から三石岳へと稜線沿いに伸びる林道に出る。ここまで来ると寒く、陰には雪が少し残り、凍っている箇所もある。
せっかくなので横川中堂に参った。他にも沢山の建物や史跡(上人の墓所など)がある。近くまで奥比叡ドライブウェイが来ているので、何人か参拝者がいた。
上がってきた地点まで戻り、さらに南へと林道を歩く。途中、654メートルの標高点に寄った。大きなモミの木が残っている。かつての比叡山の植生を表しているのだろう。
その先で林道が分岐する。右手、山に登る方をたどる。三石岳の手前から山道に入り、三角点のある山頂に着く。展望はない。横川中道から35分だった。
先客が1人いた。さすがハイキングコースになっているだけあり、山で出会う久しぶりのヒトである。山頂で昼食のつもりだったが、仕方ないので早々に下りた。
地形図によると南東に下る道がある。それをたどるつもりだったが、予想以上に急で、かつ踏み跡が定かでなかった。しかも、山頂の東側は新たな植林地らしく、若木を鹿に食われないようにネットが張ってあった。三石岳の手前で左に分岐した林道が、そのネットのすぐ下にあると思い、適当に下ったのだが、見通しが甘かった。斜面の傾斜が強く、下の土が凍っているため、地図上の道に戻るのに苦労した。結局、山頂から林道に出るのに25分もかかってしまった。
思うに、三石岳の山頂からはもと来た林道を分岐まで引き返し、そこから八王子山方面に下るのがいいだろう。僕が持っているハイキング用のガイドブックにも(後から読むと)そう書いてあった。もしくは林道を戻るのが嫌なら、これも後から思っているのだが、地形図上の道にこだわらず、三石岳から比較的傾斜のゆるい東尾根を下ることだろう。
写真、上は横川中堂、下は三石岳の三角点である。
2021/01/19