川北英隆のブログ

河口真理子さんの人間発見

迂闊にも今日になって発見したことがある。日経の夕刊、「人間発見」の欄に登場していた河口真理子さんである。この欄、月曜日から始まり、5回で終わる。18日の月曜日、不二製油の河口さんの登場は知っていたのだが、まさか知り合いの河口さんだったとは。
今日、読み残してあった新聞に目を通していると、21日、木曜日「人間発見」の見出しに、「エコファンド創立支援」とあった。エコファンドは一応僕の専門領域なので、「れれれ、道場破りか」というので、その欄に目を通してみた。
18日の月曜日も、実のところ少しだけ「河口」という名前に引っかかった。川口は多いが、河口は多くない。有名なのは、探検家としての河口慧海(かわぐちえかい)くらいである。そこでその日、夕刊で河口という名前を見て「ひょっとして」と思わなくもなかったのだが、所属が不二製油とあるので、知り合いではないと決めつけてしまった。
それで今日、「エコファンド創立って何や」、「エコファンドはグッドバンカーの筑紫みずえ社長の専売ではないのか」と思い、読み始めたわけだが、いきなりグッドバンカーのエコファンドが登場し、筑紫さんも登場した。
これも「実は」なのだが、かなり以前、10年以上前だったと思うが、筑紫さんに河口さんを紹介してもらったことがある。その時、筑紫さんと河口さんの関係は聞かなかった。単に「知り合いだわ」と筑紫さんに紹介してもらっただけだった。
その河口さん、さすがに環境分野の専門家であり、知識が深い。そう思ったのは、ESG投資の分野で有名になったPRI(Principles for Responsible Investment)の和訳を「責任投資原則」としていたことである。俄ESG信奉者(演技者)が必ずといっていいほど使う和訳が「国連の責任投資原則」である。経済産業省や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も「国連」を冠して和訳している。
そのGPIFには5年位前に一度、「業務概況書のPRIの和訳に、国連のとあるのは間違っている」と当時の総務担当理事だったかに注意したことがあった。「はい、来年修正します」との返事をもらっていたのだが、「国連」という修飾語が長らく付いたままになっている。調べると、今は「国連が提唱する責任投資原則」としているが、これも正しくない。権威付けのために「国連」を使いたいのであれば、「2006年に国連(アナン事務総長)が提唱した」と、過去形にするのが正しい。
それをあえて「責任投資原則」としたところが河口さんの真骨頂だろう。ちなみに日経の和訳は今でも「国連の」を付けることが多いようだ。また当日の「人間発見」の紙面を確認すると、「国連の」を付けたところで行数は増えない(つまり付けるスペースがある)。以上から「責任投資原則」としたのは担当記者というよりも河口さんの深い知識と良心だろう。
その河口さん、以前は大和総研の所属であり、昨年4月から不二製油に転じたとある。その不二製油だが、2017年に社長さんに京都大学に来てもらい、講演してもらった。これも何かの縁、河口さんには新しい職場でも活躍してもらいたいものだ。

2021/01/24


トップへ戻る