日本の東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、すったもんだの末に会長の首のすげ替えに成功して再スタートしたそうな。雛壇の上には新しく橋本聖子氏が着いた。言わずと知れたように、前の森喜朗男雛の代わりである。でも何か変だ。
ネットの記事によると、橋本氏は挨拶で、「組織委に対する信頼を回復するためにもスピード感を持って取り組み、結果を出すことが重要だ」と述べたとか。実際の行動はというと、「理事の定員枠を45人に広げるとともに女性を12人増やし、比率を4割に高める」らしい。これが変過ぎる。
何が変かというと、45人もの理事が集合した「最高決定機関」である理事会、本当に機能するのかどうか。実質的な会議ができるのかどうか。
会議運営者の立場から少し考えるのがいい。45人がわずか1分喋るだけで45分かかる。1分では何も喋れないから、最低限2分、3分は必要で、それだけで2時間なんて「あっと言う間」である。当然、橋本女雛の演説と、事務局からの説明があろう。それらを付け加えると、気が遠くなるような、トイレが近くなるような時間が過ぎるのは必然である。
それに理事だけで45人、事務局を入れると何人が集まるのか。国会やコロナの専門家会議の風景から類推するに、リアルに会議のために集まるのだろうし、密を避けられない。ひょっとしてオリンピックスタジアムは、この理事会のためにあるのかと疑ってしまう。
少し好意的に考えると、45人全員から意見が出るわけでもなく、事務局の説明と、何人からの桜チックな質問で終わるのかもしれない。口角泡を飛ばす議論もないだろうから、飛沫の心配もない。
以上から、女性を増やすのはいいとしても、その前に会議とは何なのかも考えてほしいものだと思う。今、民間企業では取締役の数を減らし、実質的な議論をしようとしている。政府もそれを推奨している。なのに何故なのや、政府の委員会は自分達の改革をどうしようとしているのや。そう思ってしまう。
それとも、45人が「あっ」とか「うん」とか一言発するだけで以心伝心、天才的な会議運営ができるのだろうか。それなら凄いのだが。
2021/03/02