今週は京都、大阪、兵庫の境を歩いた。近畿で少しばかり有名な深山(みやま、790.6m)から少し西北西に歩くと、2府1県の境となる。そこから深山の稜線を下り、車道を歩いて大阪府から兵庫県に越え、もう1つ、大野山(753.5m)に登った。
かなり芸術的なコースだと自画自賛している。というのも、深山から下りて車道に出たところ、工事をしていたオジさんが「この山、抜けられるの」と質問してきたから。多分、京都側から大阪側に越す(逆も同様)登山者は稀だろう。というのも、車で来た場合は山登りしないアッシーが同行しないと大変だし、一方で公共交通手段は限定的である。
どういうコースだったのか。まずJR山陰線の亀岡駅で降り、バスを乗り継いで亀岡市の西端、土ヶ畑(どんがはた)まで行った。そこが深山の京都側の登山口である。
ハイキングコースを歩いて深山に登り、2府1県の境まで踏み跡をたどって西北西に歩いた。境はピークになっていて、舩谷山(ふなたにやま)という名前が付けられている。ピークというほどのことはないのだが。
ここから南に向かって尾根を下り、大阪府最北の村、天王(てんのう)に下りた。この尾根道、踏み跡はないに等しかったが、ヤブがなかったので気持ち良く歩けた。
天王という村、名前はともかく、完全に過疎である。バスはない。この村から県道を南に歩き、兵庫県猪名川町の杉生(すぎお)村に出た。町名から推測できるように、猪名川(関西人しか知らない名前だろうが)の源流部である。その川の西側に大野山(753.5m)がある。ついでというには大きな山なのだが、それに登った。後はバス停のある杉生の中心部まで下るだけである。
杉生からのバスは能勢電鉄の日生中央駅に出てくれる。そこで能勢電鉄と阪急電鉄を使って京都に戻った。
バスを乗り継ぎ、奥まった2つの山に登れるコースである。またこの2つの山、往路を戻ることなく歩けた。ガイドブックにある深山のコースは杉生からの往復になっているから、今回のコースは画期的である。もう一度強調するほどではないものの。
コースの概況だが、ハイキングコースになっている箇所もあるが、そこから外れると踏み跡程度だったり、踏み跡もなかったりする。その踏み跡も落ち葉が多い。あまり歩かれていない証拠である。やはり関東の山とは差があり、四方八方から(へ)登れる(下れる)わけでない。全行程、5時間50分だった。
写真は舩谷山にあった兵庫(福住)、大阪(天王)、京都(西本梅)を示す方向表示である。
2021/03/12