青山高原の755.8メートルの三角点まで登ったのは2回目かもしれない。1964年5月に父親の車で来た。父親の戦友、西青山駅の駅長を訪ね、その後で青山高原に入った。どこで車を停め、どう歩いたのかは不明ながら、展望の良い山頂に着いた記憶がある。
その時、青山高原の下の方ではツツジが満開に近かった。山頂への車道はなく、歩くしかなかった。どういうコースだったのかは、古い地図をひっくり返すしかないだろう。
それはともあれ、三角点から西に下るのか、それとも東かを決めないといけない。三角点から南に下るとすぐに建物があり、お茶を飲める(飲まなかったが)。そこが分岐である。今回は東青山駅に向けて下りた。
全体として整備された歩道が続く。所々で林道を横切るが、それに入らなければいい。
最初は急斜面をジグザグに下りる。その後は広い尾根の上である。植林が続く。539.5メートルの三角点を過ぎ、やがて道は北を向き、沢に入る。水の流れのある滝谷川に出ると、橋や岩場が出てくる。
長い橋が滝谷川の左岸へと架けられた箇所に出る。表示があり、橋を渡ると滝見台、そのまま右岸を直進すると布引の滝だと。右岸から滝を見た後、左岸に渡ると滝見台に上がれそうだったので、直進した。
途中で霧生滝を見て、飛竜滝へと細い石段の道を下る。飛竜滝の落下地点のすぐ上に出る。飛竜滝と、その上部で落ちている無名の滝が見られる。
ここから左岸に移ると滝見台に上がれ、その道も見えているのだが、流れを渡るには岩場を飛ぶか(リスクがある)、沢に入るか(冷たい)しかない。仕方ないので来た道を戻り、橋を左岸に渡った。
なお、布引の滝は4段になっていて、飛竜滝の下に大日滝というのがあるとか。また、かつては飛竜滝が落ちている箇所に木橋が架かっていたそうである。今は流されている。
左岸の斜面を登り、尾根を巻くように平らな道を歩くと林道に出る。後はこの林道を東青山駅に下るだけなのだが、一箇所、滝見台に立ち寄った。布引の滝の全貌が見えるかと思ったのだが、滝の周りは木々が多く、かすかに流れが見える程度だった。冬枯れの頃に来るともう少し見えるのかもしれない。4段全部が見えると「すごい」というところだろう。
滝見台から林道を下る。太陽光発電施設とメモリアルパークの横を通り、舗装道路を北北東に下ると、近鉄の線路の下に出る。舗装道路を左手に登り、線路の下をくぐると、右手の先に駅がある。駅には水道があり、汗を拭える。青山高原も見える。30分の1本程度の電車を待つ間のささやかな楽しみだろうか。
上の写真は青山高原の奥馬野(おくばの)三角点である。三角点の表示の上に布引山との表示があった。下の写真は布引の滝である。上が無名滝、下が飛竜滝である。
2021/04/29