彦根駅まではJR、そこから多賀大社前までは近江鉄道である。近江鉄道は切符制、無人駅では乗車時に整理券を取る。そんな近江鉄道を盛り上げよう。というわけでもないが、多賀大社前で降りるのは2回目、駅を出ると大社の鳥居が迎えてくれる。
胡宮神社へは鳥居をくぐらず、名神高速と並行する車道を歩く。車はほとんど通らない。車道はやがて高速を離れ、池(高宮池)の縁を通る。蛙が鳴き、ニセアカシアの白い花が満開だった。
国道307号線を渡り、胡宮神社の境内に入る。裏参道らしい。緩い坂を上がり、拝殿の前に出る。拝殿の奥が本殿である。その横手に青龍山への参拝道がある。多賀大社の奥の院ともいう磐座へとお参りするための道である。最初、獣避けの扉を通過するのは「現代の日本風」だが。
植林と下草にシダの多い道を登る。整備されている。右手に池への道を分け、広葉樹が多くなり、南北に続く稜線に出る。稜線を左(北)にたどると磐座、右(南)が山頂である。
まず山頂へ向かった。何故か、奈良の母親の実家から近い白川池の周遊コース(今はない)を思い出した。そのコースを歩くと、広葉樹の林と灌木とが交互に現れ、夏には小さな木の実がなっていた。母親と、一番下の叔母さん(僕が小学生の頃、高校生だったと思う)が連れていってくれた。両人とも亡くなったが。緩いアップダウンと、ツツジの花も咲く灌木帯が白川池の周遊コースに似ていたのか。
青龍山の山頂には三角点(333.3m)があり、琵琶湖方面の展望がある。山頂から戻り、先の分岐を磐座方面に向かう。磐座は312mの標高点ピークの西側にあった。その先、稜線を少し下った後、右(東)に山腹を下る。伐採の跡だろうか、シダがやたらと生え、展望もある。鈴鹿(御池岳方面)や多賀の奥の高室山が見えた。
展望はいいのだが、道はハイキングコースとして整備されたらしく、無駄なほどヘアピン状に下っている。また最近は整備が行き届いていないらしく、倒木があり、シダが被さってきている状態だった。
下り切り、青龍山の東麓の車道に出る。南に歩く。焼き場を過ぎると道は下りになり、植林を過ぎ、水田地帯に出る。富之尾村を通り抜け、大瀧神社の手前で県道に出る。
上の写真は多賀大社前から胡宮神社に向かう途中で見た青龍山である。かつては神々しい参道だったのだろうか。下の写真は胡宮神社の磐座である。
2021/05/08