川北英隆のブログ

笠置山と笠置寺

笠置駅を降り、駅前の道路を南東に歩き、白砂川の橋を渡ってすぐの突き当りを右(南)に折れる。100mほど歩くと左手に山に上る道が分岐する。登山口である。すぐに車道と東海自然歩道が分岐する。どちらを歩いてもいいのだが、今回は右の東海自然歩道を選んだ。
道はすぐに林の中に入る。植林が多いものの、広葉樹も混じる。梅雨に入ったためか、湿った感じのする暗い道である。かつての参道だったようで、(丁ではなく)町目石がある。街灯もあるのだが、壊れている。途中にある庚申堂の石像がかつての賑わいの名残なのか。後ろの小屋は壊れていた。
標高200m付近で再び車道に出る。民家もあり、人も住んでいる。車道はさらに上まで伸びているのだが、左に参道が分かれているので、それを上がる。すぐに笠置寺の境内に着き、山門となる。
拝観料300円を支払い、笠置山の巨石群を巡った。弥勒菩薩の磨崖仏があるのだが、鎌倉時代から室町時代にかけて3回も寺が燃え、石の線が失われたとか。もう一体、虚空蔵菩薩とされる磨崖仏の線は残っている。その他、胎内くぐりなど、笠置の大きな岩の中を時計と反対に回り、二の丸跡と呼ばれる展望所に上がる。木津川が望める。
二の丸跡の先、小高い箇所が288mの標高点のある笠置山山頂である。そこには二の丸跡から直接上がったのだが(高度差はほとんどない)、これは正規のルートではない。時計と反対に山頂ピークを回り、行在所跡への石段を上がるのが順路である。行在所跡に288mの標高点があるようだ。山頂からは山門付近に戻った。
笠置だが、子供の頃の記憶として磨崖仏か大きな岩かが目に浮かぶ。しかし岩が、今回のようにたくさんあったという記憶はない。弥勒菩薩の磨崖仏付近まで行き、引返したのかもしれない。
それと、笠置寺が東大寺の二月堂との関係が深いことも初めて知った。東大寺が何故、二月堂から始まるのか不思議だったのだが、笠置寺には正月堂があり、二月堂の先を行く。つまり笠置はお水取りの発祥の地、いわば元祖お水取りであり、東大寺がそれに続く。
写真、上は弥勒菩薩の磨崖仏である。下は行在所跡である。右にあるプレートには後醍醐天皇の歌「うかりける 身を秋風にさそわれて 思わぬ山の もみじをぞ見る」が刻まれている。
20210531弥勒菩薩の磨崖仏.jpg

20210531行在所跡.jpg

2021/05/31


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