川北英隆のブログ

笙ヶ岳に登る

養老山の三角点を確認した後、ハイキングコースに戻り、北への縦走を再開した。同じような高さの小さなピークが続く。コースを囲む林も灌木になる。養老山のすぐ北、850mの等高線で囲われたピークは、いかにも31年前に達したピークのようだった。
とはいえ確認できるはずもなく、ただ以前に比べて灌木の背丈が伸びていると感じた。濃尾平野の展望がもっとあったようにも思ったから。
次の次、841mの独立標高点のあるピークは小倉山と名付けられている。展望が良い。コースから少し外れ、西側に歩くのがお勧めである。養老山が見えた。北西に笙ヶ岳が大きかった。
小倉山から東に折れるように下る。この付近、養老駅からの登山者に何人か会った。平日にもかかわらず、人気のある山である。
下り切ると笹原峠である。その峠から右に下ると養老へ直接下りられる。今回は笙ヶ岳に登るので、左手に上がった。深い広葉樹林の中の尾根道になる。アップダウンが大きくなるものの、気持ちいいコースが続く。850mのピークを越し、あせび平と呼ばれるその名の通りの平坦地を過ぎ、もう一度下ってもみじ峠に着く。名前のとおり、もみじが多い。
帰りのことを考え、峠から東に下る道があることを確認した。その後、笙ヶ岳を目指して西に下る。広い谷の中、きわめて気持ちのいい道が続いていた。唯一、サルが警戒の声を発するので、それが気持ち悪かった。谷には木の葉が多く積もり、靴を濡らしかねない(実際に濡らした)。
標高660m付近で道が分かれる。左、谷沿いにそのまま下れば大洞登山口に下れるらしい。右に、大きな沢に沿って上流部に歩けば(谷との高度差はかなりあり、また道は下っている)、笙ヶ岳に向かう。
分岐を右に100m足らず歩き、沢に下り、その沢を石伝いに渡る。ここでも登山者に出会った。
谷を渡ると笙ヶ岳の東尾根を巻きつつ、緩い登りが続く。最後に谷をつめ、笙ヶ岳の南尾根の東に伸びる小さな沢に沿って登り、頂上の東100mほどの地点で尾根に出る。小さな谷沿いの道は明瞭ながら、チャートの石ころが多くて歩きづらい。最後は緩い尾根を西に登って山頂、908.3mに達する。
笙ヶ岳の山頂は北側に少し展望があるだけだった。
三角点の横で休みつつ、しきりと鳴くホトトギスを愛でた。ついでにどう下山しようかと考えた。1つは、尾根に出た地点から北東に歩き、870mのピークから東南東に下る方法である。しかし、ヤマレコの足跡には迷ったような様子が感じられる。それに少し遠回りである。日没までに帰るとの条件からすれば、リスクが大きい。以上から、来た道をもみじ峠まで戻り、そこから東へと普通の道を下ることにした。
もみじ峠からの下り、最初の200mほどは笙ヶ岳への旧道である。それを下り切ると林道に出る。基本はその林道を下るものの、標高500m付近からかなりの距離を大回りしている。その部分をショートとカットしようと尾根上の踏み跡に入ったのだが、これが1箇所不明瞭な部分もあり、整備されていなかった。むしろ少し遠回りなものの、林道をそのまま歩くのが良かったように思った。
最後、養老ノ滝の北側に出る。最初に養老山への登山道を分ける。次に普通の車道に出ると、登山道入口の表示がある。その後は、養老ノ滝を見つつ、養老駅まで下りた。
養老山からもみじ峠まで1時間、もみじ峠から笙ヶ岳まで50分、笙ヶ岳からもみじ峠まで35分、もみじ峠から養老ノ滝まで50分、養老ノ滝から養老駅まで30分だった。
写真、上はもみじ峠から西側に伸びる谷である。下は笙ヶ岳の山頂である。
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20210603笙ヶ岳山頂.jpg

2021/06/03


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