七々頭ヶ岳に登ったついでに、尾根続きの新谷山にも寄ろうと思っていた。七々頭ヶ岳から尾根伝いに登るのか、菅並(丹生の北の村)に下り、丹生、摺墨、小谷を経由し、柳ケ瀬から新谷山に登り直すのか。まずは尾根の道がどの程度のヤブなのかを確認する。
山頂から北に下る。よく踏まれている。ブナの林が美しい。50メートルほど歩くと、左に分岐がある。林道(地形図の実線路)が交わる地点である。ネット情報では「ヤブが酷く、夏には歩けないかも」と書いてあった。実際に見ると、道に草が少し生え、灌木の枝が被さった部分もあるが、地面は見えているし、灌木の枝が縦横に被さっているわけでもない。「大丈夫」と判断し、予定どおり尾根を時計と反対方向に歩き、新谷山に向かうこととした。
結論から書けば、林道の入口から先、500m強が一番ヤブっぽかった。林道の真ん中にヒノキの種が落ち、育っていた箇所もあった。倒木も数箇所あった。とはいえ、大したヤブではない。七々頭ヶ岳から下り終え、701mの標高点のあるピークへ登り始めると、ヤブもほとんどなくなる。
その701mのピークの手前に凹地がある(地形図にも記されている)。池になっていて、周囲の木に白い花が咲いたようだった。その白いもの、よく見るとモリアオガエルの卵だった。過去に産卵場所とされる箇所を何回か通ったが、卵を見るのは初めてだった(多分)。
その先、ギンリョウソウ、オトシブミの巣(卵か幼虫が入っているはず)などを久しぶりに見た。ヤマボウシも相変わらず多い。「そういえば、近くの野坂山でもたくさん見たな」と思い出した。林道は広いし、傾斜も緩い。楽しい山歩きになった。
実のところ、今回の山歩きで一番高い地点は七々頭ヶ岳(693m)でも新谷山(662m)でもない。尾根の一番北側のピーク(名前も標高点もない)の高さが750mを越えている。
そのピークを越す付近で、南側に余呉湖と琵琶湖が見えた。七々頭ヶ岳が低かった。
右(西)に林道を分け、下りになる。ほんの少し登り返すと新谷山だった。杉の木の下に、落ち葉に埋もれるように三角点があった。展望はない。
新谷山からは、西に尾根をたどって柳ケ瀬に下るのか、林道をそのまま下るのか迷った。結局は簡単な林道にした。夏場の藪山はヘビもいそうだし、あまり歩きたくなかった。
そのまま林道を南に下ると、520.3mの三角点の手前から尾根を離れる。ついでだからと、その三角点に寄った。少し谷に下り始めた地点に赤いテープで印があった。そこから適当に登った。三角点マニアはいるものの多くはなく、踏み跡は薄い。すぐに三角点付近に着いたのだが、草に埋もれ加減だったため、見つけるのに少し時間がかかった。
谷に下り、車道に合流したところ、林道名が「七々頭ヶ岳線」と表示されていた。車道を西にたどり、小谷に出た。雪深いようで、村社八幡神社の屋根の傾斜が急だった。
村を北へと少し歩き、左に下って高速道路をくぐり、国道365号線に出る。国道を南へ少し歩くとコミュニティバス「小谷」のバス停である。13時前のに間に合った。余呉駅を経由するバスだったので、そこで降り、13時過ぎの列車に乗ることができた。
写真、上は新谷山の三角点である。下は余呉駅からの七々頭ヶ岳方面であるが、残念ながら歩いたのは左奥のようだ。右奥は横山岳である(その稜線に埋もれるように墓谷山の丸いピークが見える)。中央は下丹生の西にある483.8mのピークらしい。
2021/06/13