山頂で下りをどうしようか考えた。同じ道を分岐まで戻って岩座神に下るか、笠形山への縦走路を少し歩いて岩座神に下るかである。バスの時間に余裕があるので、笠形山への縦走路に入るのが面白そうだと思った。
道は明瞭だった。千ヶ峰の山頂を南西に進み、草原と灌木の尾根を下りた。下りの最初は急だが、すぐ緩やかになり、広葉樹と杉が混じった林になる。杉は植林ながら古そうだった。
早朝、この稜線に霧がかかっていたようで、灌木の葉が濡れていた。おかげで涼しかった。途中、地籍図根三角点があった。
986mの標高点のあるピークには、南東に伸びる尾根への分岐があった。岩座神へと下る道だが、単に「登山道」とのみ表示があったので、それをパスし、次の小ピークを越した箇所にある分岐から下ることにした。
この986mのピークの南西側に岩がある。岩座神(いさりかみ)の七不思議の1つ、「雨乞岩」だと思えた。後から気づいたので確認できていない。この岩からも笠形山がよく見えた。リョウブがよく咲いていた。
予定していた分岐の手前にある930mの小ピークでは屋根を少し外れ、左に折れるように下る。直進しやすいようで尾根上には踏み跡も付いている。入らないようにロープが張ってあった。
930mの小ピークから少し下ると、予定していた「七不思議コース」の分岐である。縦走路から左に折れ、東に伸びる尾根を下った。杉が多くなる。標高差150mほど下って沢に出る。岩場から水が滲み出している。
その沢を越し、トラバース気味に沢の対岸の尾根に入る。1箇所、道が崩れていた。尾根に出ると先にパスした986mのピークからの道と合流する。
合流後、尾根をしばら下ると杉林の中に大きな岩がいくつも見えてくる。そのうちの1つがタワー状になっている。七不思議の1つ、「塔の石」である。
やがて尾根の傾斜が緩くなり、砂防ダムに出る。最新式の透過型砂防ダムである。水がなく、右側から砂防を越え、車道に出る。岩座神の村の上部である。お地蔵さんを過ぎ、千ヶ峰への岩座神コースと合流する。ここから千ヶ峰の山頂がちらっと見える。
もう少し下ると三谷からの町道が左に分岐する。その町道に入り、峠を越える。高度差100mばかりの登りだが、日差しがあって暑い。峠を越え、緩やかに下ると、朝にタクシーで運んでもらった三谷コースの登山口である。駐車場横の水道で顔と手の汗を拭った。
後は町道を下る。キャンプ場を抜け、三谷川に下りると水遊びができるようになっている。家族連れが何組かいた。三谷の村中で左に折れて東に下り、最短で国道427号線に出た。この付近から千ヶ峰が見える。8/5にアップした写真がそれである。
国道を少し南に下ると門村(かどむら)のバス停である。バスが来るまで時間があったので、ズボンの裾に被せたままだった靴下を下ろすと、何とヒルが1匹出てきた。靴下とズボンの隙間に入り込み、足を狙っていたようだ。靴下を使った防御は暑かったものの、効果があった。
バスで西脇市駅まで出た。乗り降りのあるバスだったが、駅まで行ったのは僕一人だった。加古川線で加古川に戻り、そこからは新快速で京都まで戻った。
千ヶ峰山頂から岩座神まで90分、三谷登山口まで20分、バス停まで35分かかった。
上の写真は千ヶ峰から笠形山(左奥の三角形のピーク)にかけての尾根である。今回、手前右側にあるの杉の目立つピーク付近まで歩いた。下は塔の石である。灰色の塊なのだが、杉が邪魔なため写真ではわかりにくい。
2021/08/07