川北英隆のブログ

台風がもたらす恵み

今朝、雨音で目が覚めた。4時台である。昨夜は暑さ疲れのために早く寝たこともあり、その雨の様子を見るために起きた。今日の京都の日の出は5時13分らしいが、5時前には空が明るくなる。と、青空さえ顔を見せているではないか。
台風9号は鹿児島の枕崎に上陸したとか。上陸時点の中心気圧は990hPaと小さいながら、その後の気圧が985 hPaにさらに下がるという珍しいタイプの台風である。
それで肝心の京都の降水である。今回の台風がもたらしてくれたのは33ミリ程度の雨だった。まあまあの夕立程度か。多少の恵みとはいえ、「これではねえ」程度だろう。雲の動きを見ると、おまけ程度の追加の雨があるかもしれないが。
気象庁、夏の晴天が続くと「命に関わる危険な暑さ」への警告を発しないといけないし、その暑さを和らげてくれる入道雲が発生して雷雨があれば「頑丈な建物への避難」を呼びかけないといけないし、今回のような小さい台風でも「命を守る行動」を促さないといけないしで、忙しいことだ。
思うに、日本はおせっかい過ぎる。これではリテラシーが形成されない。もちろん注意を促すべき時はある。しかし国民として、猛暑、雷雨、台風、コロナと、立て続けに、一日に何回も注意やら警告やらを聞かされてしまうと、「またかいな」となる。肝心の猛烈な台風や今回のコロナのデルタ株の時に、「いつもの口うるさいオヤジやオババがまたまた登場したな」と思われて終わりである。
今回の台風で言えば、大雨の直撃を受けた地域があり、それは大変である。しかし、スマホでいつでも情報が得られるのだから(台風であれば「台風情報」、雨であれば「雨雲の動き」や「降水短時間予報」がすぐに見られるから)、またスマホを使える老人も増えているわけだから、個々人が気象情報と自分たちが住んでいる地形からこまめに判断し、行動すべきである。そんなリテラシーが身に付くように、市町村が危ない地域の住民を集め、講習会を開くべきである。繰り返しだが、たんに気象庁が、ニュースが「身の危険」を騒ぐのでは、かえって逆効果になってしまう。
肝心の話から逸れた。それで本当に台風は悪者なのだろうか。むしろ台風があるから日本には豊かな緑が育つ。台風の雨が豊かな緑に水を撒いてくれると考えるべきだと思う。
今年の5月頃だったか、台湾が少雨で水不足になり、半導体の生産に支障が生じるのではないかと危惧され、日本でも大きなニュースになった。その危機が確か6月初めの豆台風の到来によって緩和され、その後は梅雨によって水害が懸念されるまでになった。日本のニュースはほとんど、その「危機回避」と「恵み」と「逆危機」を報じていない。
禍福はあざなえる縄の如しである。何事にも良い面と悪い面がある。台風は雨という恵みをもたらす。コロナは在宅勤務や地方在住をもたらし、新しい家庭像の確立や痛勤電車解消に役立とうとしている。根が能天気というか楽天的というか、O型人間としてはそう思っている。

2021/08/09


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