日本のプラスチックのゴミ対策、小売店でのレジ袋の有料化に続いてコンビニなどのプラのスプーン、ストローなどもターゲットに加えられる。それはそうなのだが(僕としての被害は皆無に近いこともあるが)、どうも「重箱の隅」的な印象を受けてしまう。
具体的に導入される規制は次のようなことらしい。
「プラスチック資源循環促進法」(今年6月成立)に基づく規制により、来年4月の実施を目指し、コンビニやレストランなどで無償提供されるスプーン、フォーク、ナイフ、ストロー、マドラー、宿泊施設のヘアブラシ、くし、カミソリ、シャワーキャップ、歯ブラシ、クリーニング店のハンガー、衣類用カバー(以上12製品)について、有料化か、受け取らなかった場合のポイント制か、再利用か、代替素材への転換を選択させるらしい。
クリーニング店のハンガーは少し疑問だが(以前にもらっていたのを持参すればいいのだろうが)、それ以外は当然だろう。とくに僕に無関係なコンビニのコーヒー関係のごみは大賛成、そこらに(場合によっては公園に車で運び、飲み)容器と一緒に林の中に捨てられることも少なくなるだろう。
「でもね」と思うことがある。わが家のプラごみをいつも見ていると、一番の多いのは包装用のプラ類である。それを減らす計画をしないと本当の意味の対策にならない。多分、これまで槍玉に挙げられたレジ袋やスプーン類は、海外の動向を睨みつつ、「日本も同じことをしないとどやしつけられる」という役人根性のなせる業である。
日本独自の(海外では多くない)発泡スチロールのトレイとそれを包むラップ(場合によってはさらにその商品に調味料などを追加し、もう一重を加えたラップ)、菓子袋の中に小袋に詰めた菓子が入っているという「親亀の上に子亀を乗せて」的、「上げ底」的商品などは眼中にないのだろう。むしろ、そういう日本独自の慣行に注意を向けるのが本当の政策であるのだが。
では環境省がそういう慣行にどれだけ目を向けているのかといえば、少し古いながら環境省の資料にはそういう指摘がない。菓子メーカーに気を使っているのか、現場意識がないのか(自分でゴミをゴミ箱に捨てないのか)、非常に残念だ。
同時に思い出すのは、レジ袋の有料化はいいのだが、コンビニなどで持参の袋に詰める時、もたついていると、後ろに並んでいる客に白い目で見られる体験である。小売店に対しては、買い物を袋に入れるための場所を確保するとか、店員に袋を渡せば詰めてくれるサービスを提供するとか、そういうフォロー態勢を整えてほしいと思っている。
海外に言われたらやる、役所に言われたらやる、それ以外は知らない、日本はそれだけの世界に成り下がったのかと思う。率先した工夫がない社会や企業に待ち受けているのは、地位の低下でしかないのだが。
2021/08/31