今週の山は近江と越前の国境だった。国境からスタートし、乗鞍岳(865.1m)と岩籠山(765.1m)を経て敦賀の北、新疋田駅まで歩いた。この中にある地名、「国境」は残念ながら「こっきょう」とは読まず、「くにさかい」である。
敦賀は若狭国かなと思っていたのだが、越前国とのこと。天気予報で嶺南というと敦賀から小浜方面のことなので、そのイメージから若狭国だと思い込んでいた。ということで、国境とは近江と越前の境である。
乗鞍岳は懸案の山だった。何年か前、マキノ駅からコミュニティバスで途中の村まで運んでもらい、黒河峠まで歩き、そこから高島トレイルを使って三国山と大谷山を歩いた。その時、黒河峠の東側に乗鞍岳があることを知った。北アルプスの乗鞍岳と同名、どんな山かと思った。
先週、マキノ駅から東山を歩いた時、国境までバスがあると知った。このバス、グーグルマップで「バス停」と入力して検索しても出てこない。だから、乗鞍岳へは黒河峠からの歩きかなと思い、そうすると帰りが難しいと思っていたため、乗鞍岳は懸案のままだった。それが国境までバスがあるのなら、乗鞍岳から岩籠山を目指して縦走できる。
善(?)は急げというので、それに天候も当初の予報は冴えなかったので、今週の山を乗鞍岳と岩籠山に設定した。
行き方は、まずはマキノ駅から高島市のコミュニティバスに乗る。ただし本数は少ないし、始発が8.46と少し遅い。もう少し早い時間に歩き始めたいとタクシーを調べたのだが、近くに会社がない。それで仕方なしにバスにしたのだが、実際には、駅前に第一交通の車が2台も待っていた。電話0740-32-4000で呼べるとも。知っていたなら電話で呼んだのにと思ったが、今回は「今更タクシーを使ってもバスと大差ない」と諦めた。
バスは国境(愛発越=あらちごえ)までである。そこからスキー場のゲレンデを登り、高島トレイルに入る。789mの標高点の手前で乗鞍岳と岩籠山を結ぶ稜線に出る。高島トレイルと岩籠山への尾根道の分岐点である。
乗鞍岳へは分岐から往復した。琵琶湖側の眺めが楽しめた。乗鞍岳からの戻りに、縦走する稜線と、その先に岩籠山のすかっとした姿が見えた。
分岐に戻り岩籠山への縦走に入る。すぐに送電塔を越える。ブナの目立つ稜線である。786.6mの三角点のある平らなピークの手前まで薄いながら踏み跡もあり、テープもあってすんなりと三角点に達した。
問題はその三角点ピークからの下りだった。灌木の藪の中を少し下り、踏み跡に出たのだが、少し下った後、1本東の尾根に移るのだが、その部分に踏み跡らしきものがなかった。適当に東に下り、薄い踏み跡に出た。再び目印のテープが出てくる。
その後は薄い踏み跡が続き、稜線の西側を歩くことが多くなる。時々倒木などで踏み跡が不明瞭になるが、ブナの林の中を適当に歩く。739.6mの三角点は踏み跡から東に数歩入った草原の中にあった。その後も同じような状態で677mの標高点を過ぎ、少し下って岩籠山への一般登山道に出る。分岐部分は草が茂り、道標も何もなかった。
岩籠山まではいい道が続く。山頂付近は笹原になっていて、その中に花崗岩質の大きな岩が1つ、2つとあり、700メートル台の山とは思えないくらいだった。敦賀の3名山だけのことはある。ちなみに後の2名山は野坂岳、西方ヶ岳である。
岩籠山から西に歩き、夕暮岳の三角点に立ち寄り、市橋コースを下る。沢沿いの道であり、雨の後だったからか、何度も(数えなかったが10回以上で、20回はいかなかったか)沢を渡渉した。多くは踏石らしきものが設置してあるのだが、そうでないと渡渉箇所もあり、慎重になる。いずれにしても水量が多かったので、靴が少し濡れた。滝が多くてなかなかの風景なのだが。
ほぼ下り切ると林道になり、市橋登山口(駐車場)を過ぎ、疋田(宿場町)を通って新疋田駅に出た。駅からは1時間に1本、姫路行きの新快速がある。ただし16時台まで。何とか16.33発に乗れた。今回はトータルで7時間15分かかり、想定以上だった。
写真、上は乗鞍岳付近からの琵琶湖と先週登った東山(琵琶湖の手前、右のピーク)である。下は786.6mの三角点ピークからの乗鞍岳である。よく見ると、上にアゲハチョウが飛んでいた。
2021/09/11