分岐に戻り、北へと尾根に入る。最初は巡視路でブナ林の中の整備された道である。すぐに送電塔に出る。これから歩く尾根の展望はいいのだが、鉄塔の周りは草に覆われている。ヘビと虫対策のため、ズボンの裾を靴下で覆い、草むらの踏み跡に突撃した。
というほど大げさではなかった。林の中に入ると再びブナ林になる。踏み跡もあり、テープの印もある。小さなコブを越しつつ786.6mの三角点ピークの登りにかかった。
このピーク、750mを越えると踏み跡の明瞭さがなくなり、テープもなくなる。たどってきた薄い踏み跡が三角点の南側を巻き始めた。仕方ないのでその踏み跡から離れ、左手、三角点らしき方向に向かう踏み跡を上がった。
上がり切ると石の標識があった。三角点かと思ったが、境界の見出しだった。三角点はその少し先(東)にある。いずれにしても灌木を切り開いたような山頂だった。点名は「中山」である。木の間から岩籠山と乗鞍岳が見えた。
水分補給の小休止の後、どう下ろうか迷った。ピークから東に向かう踏み跡がない。先に分かれた踏み跡を行くのかなと思ったものの、確信がない。仕方ないので、少しだけだろうと思い、東に向かって灌木のヤブを突き切った。イメージどおり、北に向かって尾根を下る薄い踏み跡に出た。
次の問題は、750mの等高線付近から東隣の尾根へと移る下り口である。少し探してみたが、それらしい踏み跡がない。もう一度「仕方ない」と東に向かって灌木のヤブの中を下った。やはりイメージしたとおり、北に向かって下る薄い踏み跡に出た。結果として、ピークの南側を巻き、そのまま北東に下るのが正解だったかも。歩いていないので保証はできない。
その後しばらくは踏み跡が不確かである。小さな谷が左手に現れ、踏み跡が少しずつ明瞭になり、テープも出てくる。ヌタ場らしき水溜りもある。稜線の西側を通ることが多くなる。この稜線、ブナ林が立派である。ヌタ場がもう1箇所あった。大きなキノコも傘を開いていた。
646mの標高点のある鞍部の手前付近から東側の展望がある。その鞍部からの登りには倒木があり、踏み跡が不確かだった。739.6mの三角点(点名、西近江)峰の南北の稜線に入り、再び踏み跡をたどれるようになった。
三角点は最高部から少し下った所にある。踏み跡は稜線の西側なので、東へ数歩、草の中の踏み跡を入った。鈴鹿、伊吹、金糞岳、横山岳とその先の国境の山々が連なっていた。
その後も稜線の西側に薄い踏み跡が続く。677mの標高点のピークを越えて、駄口から岩籠山への一般登山道が近いと安心したのだが、少し早かった。その合流点への踏み跡はないに等しく、草の中を歩いて合流した。
上の写真は尾根のブナ林である。下は739.6mの三角点からの伊吹(右端)と、金糞岳(中央)と横山岳(中央左)である。
2021/09/12