分岐に戻り、時計を見ると、15時少し前だった。新疋田駅からの新快速は16.33発で最後だから、標高差600m近くある沢と、その先の車道歩きを考えると、ギリギリに近い。ここまでノンビリしすぎたかもしれない。
最初は沢をめがけての急な下りである。雨で崩れかけた箇所もある。沢に出ると、当然ながら石ころが多い。そのうち沢を水が流れ始め、その流れを何回も渡るようになる。水の量も多くなり、流れに置かれた踏石を足場に渡るようになる。今回は水量が少し多めだったのか、置き石の上を水が流れていることもあった。
沢の石が赤味を帯び、独特の滝の景観が展開する。事前に見た敦賀市のコース案内には「市橋ルートは沢沿いに登山口が続き、途中には大小いくつもの滝を眺められます。徒渉する必要がありますので、降雨時には注意が必要です。」と書いてあった。その意味を実感した。梅雨前か秋の紅葉シーズンか、いずれにしても雨の少ない時期にこのコースを選ぶべきだろう。
沢を下っていくと、飛び石のない渡渉点も何箇所かあった。渡る箇所にはテープの目印があり、間違うことはないのだが、濡れた丸い石を踏む時には滑らないかどうか確認しなければならない。いずれにせよ、靴が濡れた(ずぼっと浸かることはなかったが)。
やがて傾斜が緩み、道が広くなり、林道になる。その下に市橋登山口の駐車場がある。
その先は車道である。すぐの分岐は直進せず、右に折れる。線路を2回くぐり、国道に出る。その手前に旧道があり、かつて宿場街だった疋田を通り抜ける。敦賀から水路(運河)が引かれていたとの説明書があった。今はその名残として、冷たそうな水が流れていた。
村を抜け、もう一度線路をくぐる。旧道はここまでで、国道に出る。それを反対側に渡り、少し歩いて新疋田駅に出た。何とか16.33発の新快速に間に合った。
上の写真は市橋コースの沢である。下は沢のあちこちに咲いていたホトトギスである。一輪だけのことが多かったため、最初はホトトギスだとは思わなかった。
2021/09/12