川北英隆のブログ

医者はデジタルを活用せよ

日本のオンライン診療が進んでいないらしい。デジタルを活用すれば医療は格段に進歩するのに、守旧勢力が多いようだ。要するに、医者という職業を金儲けの手段としか考えていないヤブが多いということだろうか。
念のために書いておくと、わが家が世話になっている開業医や病院は親切である。親切だけで医者は務まらないから、「ちゃんと診断してくれ、適切に判断してくれる」と書き添えておきたい。
その一方、世の中には適当にしか対応してくれない開業医も多すぎる。こちらから病名の候補を言わないといけない医者とか、調子が悪いと訴えているのに「もうちょっと悪くなった言うて」と対応する医者もいるらしい。そんな医者は、「御免、いつか機会があったらまた来るから」と、こちらから切り捨てるべきだ。
元に戻り、デジタルが何故必要かと言うと、開業医として診断書をパソコンに保管しておけば、大病院に紹介状を書く時にすぐさま使える。何の薬を処方しているのか、アレルギーが出て駄目な薬があるのかどうかなど、一目瞭然である。
体験談を語っておこう。重篤な病気になった時、本人として、普段飲んでいる薬とかアレルギーの出る薬などを適切に説明できないことが多い。ましてや家族には、ほとんどわからない。
だから、本当は個々人のカルテを政府がクラウド内に保管しておき、健康保険証の番号などを入力することで、そのデータを他の医者が使えるようにすべきである。たとえば、飲んでいる薬や病歴などを即時にパソコンで入手できるようにするのが、本当の先進福祉国家である。今の日本の病院のように、病歴や飲んでいる薬をいちいち病人やその家族に質問しないといけないというのは、情けない限りである。
もう1点、普段の診察はオンラインでも可能なようにしてほしい。サラリーマンをしていると、忙しくて病院に行くのが躊躇される。そんな時、オンラインで診てもらえるのなら、病院に行く時間が節約できるから、医者に相談しやすくなる。
地方の老人の場合、本数の少ないバスで通院するのは大変である。オンラインで診てもらうことが可能となれば、それは地方の老人の救世主である。今の70代ちょいの老人はデジタルにも対応できる。今後はオンラインを歓迎する割合が急速に増えるだろう。
もちろん、医師がオンラインで診て、必要であればリアルに診たいと病人に説明すればいい。また、慢性疾患の場合、何回かに一回は病行くに来るように求めることもあるだろう。オンラインとリアルを上手く使い分けることが、ほんとうの意味で病人のことを思った医療である。
医師は最高の教育を受けている。だからデジタルを使えないわけがない。面倒だからとか、料金が安いからとか(これは厚労省の制度の問題でもあるが)、そんな理由でオンラインに消極的であるなら、「医は算術か」と揶揄されかねない。デジタルを活用する医者が多くなるように切望する。政府も積極的に動くべきである。

2021/10/26


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