昨日の衆議院議員選挙は実質的な自民党の勝利に終わった。自民党の議席数は公示前の276から261に減ったものの、国会の安定運営に必要な絶対安定多数(261議席)を単独で確保した。これに公明党が引っつく。
菅政権が1年間で退陣したように、自民党に対するコロナ批判が強かった。それにもかかわらず、何故選挙に勝てたのか。結論は、消去法的な勝利だろう。自民党以外にこれといった選択肢がなかった。自民党に対抗している立憲民主党は選ばれず、議席数を110から96へと大幅に減らした。野党は少数政党乱立の様相である。
野党が負けた理由は何か。要するに、国民にとって納得できる政策が示されなかった。自民党に輪をかけたバラマキしかなかったに等しい。自民党と対局にあるはずの共産党でさえ、「1人10万円を基本に暮らし応援給付金を5兆?6兆円規模で支給し」と選挙で訴えたのでは、もちろん言い方は異なるものの、「バラマキやん」と受け止められても仕方ない。その共産党と立憲民主党が連携したのである。
数年間とはいえ政権を握った(その流れを引き継いでいる)立憲民主党である。政権の経験を活かし、もっと正当でまともな政策を打ち出すべきだった。自民党の政策が大したことないのだから、政治家として勉強を重ねていれば自民党を上回る政策を、今回の選挙で国民に訴えることができたはずである。
コロナ対策自身をどうするのか、医療をどうするのか、コロナと経済の両立をどう図るのか、中期的な財政の健全化のために何をすべきなのか、高齢化問題や地方の衰退にどう立ち向かうのか、緊張感の高まっている国際情勢に対して自衛体制をどう確立していくのか、地球環境問題にどう対処するのか。
以上を含め、国民が関心を抱く国家的な問題はいくつもある。これらの問題に対して野党としてのスタンスを理路整然と定め、示すべきだった。
現実はというと、残念ながら「ほとんど何も考えてへんやん」というところだろう。自民党のバラマキに対してバラマキで対抗したため、「自民党の方がましかも」との印象さえ受ける。
国民はアホではない。自民党に対抗する勢力が出てきてほしい、自民党の勝手はカラスの勝手とは違うという国民も多いはずで、だから今回の立憲民主党でも今回96議席を確保できたのである。日本維新の会が下の方で躍進できたのである。この事実をもう一度認識し、次を戦ってほしいと思う。
それで僕はというと、今回の選挙、特定の最高裁裁判官にバツを付けることを主目的に、投票会場に出向いた。小選挙区にはこれといった候補者がいなかった。比例代表では消去法的に某政党に投票した。以上である。
2021/11/01