晩秋の気配が漂い始めた。京都にはそのうち、北から雪雲がやってくる。その前にと、学生時代からの懸案に近かった峰床山に入った。交通の便が良くない。計画していて、「それなら、鎌倉山を越えて安曇川に下りよう」と思った。
学生時代に皆子山に登った。最近よく一緒に山に入っているM君に誘われた。その時、ついでに峰床山もと計画していたのだが、皆子山から下りて峰床山に登ろうと思ったところ、道が分からなかった。当時を振り返って、どう登るのかを考えて見たのだが、2つのピークは離れている。交通の便も悪くて、同じ日には無理だと思う。
とはいえ、峰床山に登り損ねているのは確かである。しかも峰床山(969.9m)は京都府で第2の高さを誇る。第1は皆子山(971.3m)である。いずれにしても登らないといけない(?)山だった。
どう行くのか。車を運転しない者にとっては、1日数本のバスの便を使うしかない。それにピークを往復だけで終わるのもつまらない。ふと思いついたのが、花背(正式には花脊)側から東に歩いて峰床山に登り、そのまま安曇川(葛川の坊村)に抜けるルートである。バスの時間を調べると、連絡できる。ただし、コースタイム通りに歩いていると遅いバスにしか乗れず、夕飯時を逃してしまいそうだった。
何箇所か寄り道したい所もあったのだが、夕飯時までに家に帰るため、次の簡明なコースを設定した。
叡電の始発駅、出町柳から花背方面(広河原)行きのバスに乗り、大悲山口で降りる。そこから寺谷川を東に遡り、俵坂峠に出る。この峠は峰床山の南に位置する。峠から稜線を歩き、峰床山に登る。登頂後、少し稜線を引き返し、俵坂峠への途中で東に谷を下り、八丁平に出る。八丁平を少し歩き、その北側からオグロ坂峠に登る。峠は峰床山の東尾根にある。峠から稜線を東に歩き(途中で北向きに変わる箇所がある)、鎌倉山(950.5m)を越える。その後は東に稜線をたどり、葛川坊村に出る。坊村には平日のバスがないから(土日のみ運行)、北に2キロほど葛川梅ノ木まで歩く。梅ノ木には高島町のコミュニティバスが通るので、それに乗り、朽木経由、JR湖西線の安曇川駅に出る。
もっとも広河原行きのバスが大悲山口に着くのは9時前、高島町の早い時間帯のコミュニティバスが梅ノ木を通るのは14時少し過ぎなので、310分ほどの時間しかない。一方、上で示したコースを歩くには、標準的なコースタイムで400分はかかる。ということで、コースタイムの8割弱で歩かないと14時少し過ぎのバスに乗れない。
という、夕食を逃すかもしれないという必死の覚悟で、峰床山に出かけた次第である。
写真、上はオグロ坂峠のお地蔵さんである。下は坊村の手前で見た紅葉(黄葉)である。標高500m付近より高くなると紅葉はほぼ終わりだった。
2021/11/15