株式配当の季節である。3月末決算の企業の場合、今、9月末中間期の配当金支払いが最盛期を迎えている。その配当金を郵便貯金(正確には、ゆうちょ銀行の貯金らしい)に預けに行くと、「取引目的等の確認」をしろと言われた。
配当金の受け取りには口座振替と配当金領収証の方法とがある。僕の場合、両方が混ざっている。口座振替のほうが便利なのだが、その手続きが面倒なので。
配当金領収証の場合、郵便局の口座に入金するのが簡単である。京都市内に住んでいると、複数の郵便局が歩いていける距離にあることだし。
さて今回、配当金領収証を郵便局に持っていくと、「お取引目的等の確認をしてほしい」と言われ、アクセスするサイトとそのQRコードの書かれた紙を渡された。実は3月にも言われていたのだが、面倒なのでそのままにしてあった。
さらに「実は」なのだが、近くの別の郵便局なら大丈夫だろうと、別の配当金の入金に行ったところ、そこでも同じことを言われた。係員が通帳を機械に入れると、自動的に「客に確認させろ」と表示されるのだろう。
今回は仕方ないのでサイトにアクセスし、入力した。スマホで入力するのも面倒なので、パソコンにURLの一部を打ち始めたところ、アクセスが多いのだろう、全URLが一気に表示され、入力が終わった。ここで「簡単やな」と思ったのだが、またまた実は大間違いだった
「取引目的等の確認」の入力画面に入ると、やたらといろんな質問をしてくる。その中でうるさかったのが勤務先の住所だった。勤務先住所の入力について、「さしつかえない範囲で」と書いてあった。そこで入力をパスし、確認画面に進もうとしたところ、「入力を見直せ」と表示される。ざっと見たところ何が間違いか分からなかったので、もう一度確認画面に進もうとしたところ、やはり駄目だった。
仕方ないので、真面目に確認したところ、勤務先住所に「京都府」だけが自動的に入っていた。「どうしょうか、書いてもいいのやけど」と考えつつ、「無職が正しいか、大学は定年退職して、今は非常勤で勤務しているだけやし」と、「無職」に訂正としたところ、簡単に最後まで進み、「取引目的等の確認」が終わった。
考えてみるのに、勤務先住所の記入は「さしつかえない範囲で」と書いてあるのに、実質的に強制ではないのか。「変なの」である。
この「取引目的等の確認」はマネーロンダリング(マネロン)を防止するためなのだが、僕の取引履歴のどこにマネロンの兆候があるのか。ゆうちょ銀行が保管している取引履歴をAIなどで分析すれば、すぐに「白」と出るはず。
それを顧客に労力をかけさせるなんて、準国営ゆうちょ銀行は自身の遅れを露呈している。そうそう、民間の銀行で「取引目的等の確認」なんて言われたことがない。
2021/12/05