鉢ヶ峰を越えて大きく下る。岩が点在し、少し荒れた感じがする。下りきった峠(220m)は植林の中である。登り返しは、最初が急なものの、すぐに緩やかになる。その後はこれまでと同様、小さなアップダウンが続く。
260mの小ピークを越え、桝形山への最後の登りとなる。笹薮の中の道を通り、山頂直下の鞍部に出る。木が伐採され草の斜面が目の前に広がる。山頂部から北側が城跡として整備されていて、その一角である。
鞍部を左手(西側)に進むと右に階段がある。それを上がると山頂である。天守跡なのかどうか不明だが(とくに説明書がなかった)、一番高いことと、四囲の展望が得られることから、登山者にとっての天守なのは間違いない。その天守の真ん中に石碑があり、その前に三角点(312.3m、点名は白米城)があった。
展望は素晴らしい。堀坂山と、縦走してきた観音岳、鉢ヶ峰はもちろんのこと、遠くの局ヶ岳も大きかった。この展望を目指してであろう、桝形山の下りで複数の登山者(むしろ付近の散歩者)に出会った。
下りは、まず階段を戻り、その後は北に向かった。広い歩道である。尾根沿いに城の遺跡が残っている。500mほど下り、「阿坂城跡の遺跡マップ」を見て右手(東)に下る。最後は舗装道路になり、淨眼寺の横の駐車場に出る。
淨眼寺はその駐車場の横にある。裏口入門できそうだったが、正規のルートで入ろうと思った。少し坂を下り、その後で曲がった参道を上る必要があった。山門をくぐり、鐘楼を見て、しかも狛犬の出迎えを受けたまでは良かったものの、肝心の本堂が閉まっていた。コロナの影響だろうか。
桝形山にある阿坂(あざか)城跡(籠城時に水に見せるため白米を流したという逸話から、白米城跡とも呼ばれる)は北畠氏の城で、織田信長が攻め落とした。淨眼寺は北畠氏の菩提寺である。
写真、上は鉢ヶ峰からの下りで見た桝形山である。左側のピークが桝形山となる。下は桝形山の山頂である。右に局ヶ岳が見えている。
2021/12/24