今週の山として豊田市の猿投(さなげ)山を選んだ。以前、年賀状に干支の山を採用していたことがあり、その時に猿投山を知った。1991年の年末だと思う。今から30年前のこと、「干支の山として登らないと」と思いながら、その宿題を非常に長く果たせていなかった。
しかも猿投山には一等三角点がある。「それなら是非とも」と思ったものだから、時々思い出すのだが、難しかった。
高さは629.0m(もしくは632m)で高くはない。麓からの見え方といい、高さといい生駒山(関西では有名です)を思い出させる。そんな山だけに、猿投山だけを歩きに名古屋の、さらにその先くんだりまで行く気にならない。名古屋からのアプローチの仕方も、土地不案内な者にとって複雑過ぎる。このため30年間もほったらかしになっていた。
と気づいた読者がいたかもしれないが、つい1週間前、渥美半島の大山を歩いている。それとどう違うのか。実は僕も渥美半島を歩きながら、「そしたら猿投山も」と思った。
たまたま、先週末も東京に用事があった。その東京からの帰り、立ち寄ることにした。
いつも使っている時刻表ソフトで調べたところ、やはり時間帯によっていろんなルートが出てくる。今回のルートはというと、新幹線で豊橋まで行き、名鉄名古屋本線に乗り換えて知立経由で豊田市駅に出た。駅前からバスがあり、猿投神社前まで行ける。
神社に参拝した後、メインのハイキングコースを歩き、東の宮を経て猿投山の三角点に着いた。東の宮に戻り、自然観察路を経由して西の宮に出た。後は舗装道路と遊歩道を歩き、花崗岩の間を流れ落ちる滝と菊石を見つつ猿投神社に戻った。
猿投神社からはバスで豊田市駅に戻り、名鉄豊田線・地下鉄鶴舞線と地下鉄東山線を経由して名古屋駅に出た。後は新幹線で京都である。
というように、「そんな何やら線とか何やら駅とか書かれても、名古屋なんて知らへんし」というところ。時刻表ソフトがなければ、本人の僕も発見できなかっただろう。
肝心の猿投山は人気の山らしく、しかも道が整備されているから大勢が歩いていた。だからほとんどマスクをしていた。それを除けば山は非常にいい。花崗岩がごろごろしていて奥深さが感じられる。神域だけに樹林もいい。それに天気が良ければ白山、中央アルプス、南アルプスが見えるらしい。当日は春霞のため、麓しか見えなかったに近かったが。
写真、上は猿投神社の本殿、下は帰りのバスから見た猿投山である。登山中に山の全容を見ることはできない。
2022/03/13