今日の日経新聞を見ていると、専門家による円安の目処が示されていた。向こう3カ月の安値の予測は130円/ドルというのが専門家のほとんど意見だった。本当かいな。
今までの経験によると、専門家の意見が一致した場合、当たるためしがない。むしろ、「一致した意見は外れる」と考えるのが正しい。その理由はいくつかある。
1つの理由は、そもそも専門家と称される者の意見が当たるのなら、相場は今回の場合であれば、たちまち130円に下落する。すぐさま130円にならないということは、実際に円とドルを売買する者が130円説を信じていない証拠である。
次の理由は、専門家の全員が130円説を通説だと知っていて、それを横並びで答えているのではなかろうか。直接「何円にしよう」と話し合っているわけではないが、間接的に他の専門家のいろんな説が聞こえてくる。それを参考にアンケートや取材に答えている可能性である。
もう1つは、極端なことを答え、外れると恥ずかしいという心理である。逆に、極端なことを言わないと目立たないという心理もあるのだが、そういう専門家は絶滅危惧種になりつつある。だから横並びの答えになりやすい。
最後に、多数意見が当たれば誰も苦労しないという経験則である。130円になると多数が思っているから、それに近づくと円を買い戻す動きが出る。でも、実勢はどうなのか。実勢が130円ではなく140円に向かうと、多くが慌てる。すると一気に円安になる。円高に動くときも同じである。
ここで、「あんたの意見はどうなんや」との質問が登場するだろう。僕はあくまでも通貨分散のスタンスである。背景として「円は安くなる」と思っているから、複数の先進国の通貨でポジションを作っている。
でも正直なところ、明日、1ヶ月後、3ヶ月後に何円になるかは予想できない。わからないから通貨を分散しているとも言える。3/22のブログに書いたように、公的年金を含め、円を持ち過ぎだとの意識も作用している。日本が貧乏になったとき、多少貧乏度合いがましになるかな、多少うまいものが食べられるかなとの備えでもある。
2022/04/15