星峠に戻り、コンクリートの舗装道を阿祇園寺(あぎおんじ)へと下った。阿祇園寺のある村の名前は中尾らしい。道なりに歩き、阿祇園寺の前を通り、国道477号線に出た。
車の通りの少ない国道を北西に歩く。2月に訪ねた日吉神社の前を通ったので、山の無事を再度拝んでおいた。千歳山が集落の右に大きい。裏山の雰囲気である。
小学校跡と郵便局の先から、国道は千歳山の東側の谷に入る。ほんの少し登れば峠である。峠を過ぎ、千歳山の南東側の尾根から山頂を目指すことにした。国道から県道が東側に分かれる、その少し神吉側である。
ネットで記録を探すと、その尾根を下りた記録があり、大変だったとある。確かに最初は作業道らしきものがあったのだが、すぐに消えた。歩いたかすかな跡を適当にたどるのだが、砂利混じりの急な斜面のために登りにくい。木につかまろうとしても、木の間隔が広く、加えて枯れたのも混じっている。
上部に岩場が見えるので、その下を巻きつつ、岩の上部に出る感覚で登った。その判断が正しかったようで、岩を巻いた付近から尾根らしき雰囲気になり、踏み跡が少しずつ現れた。振り返ると地蔵山から三頭山、鎌ヶ岳が松の倒木越しに見えた(昨日のブログ)。
踏み跡を登り、何とか神吉から登ってくるルートと合流した。登り始めから35分かかってしまった。高度差は約200メートルであるから、苦労した登りということになる。
合流点から千歳山の山頂までは、明瞭な道が付いてるものの、倒木がある。作業用の道も混じる。横に長い山頂部を見ながら、「もう少し先」と思って尾根上を歩いていると、ふいに三角点と「千歳山」の山名プレートに出食わした。三角点(622.1m、点名は神吉)は最高点の少し下にある。針葉樹と広葉樹の混じった林の中だった。
三角点から少し登ると627mの独立標高点のある山頂だった。何故か金網で囲んだ一角がある。奥にタムシバが満開だった。
頂上部で地形図を眺め、西側がもう少し高いのではないかと思った。そこで西に少し下り、登り返した。これが倒木だらけの道で難渋した。登り返した箇所は完全に植林の中で、山頂部より高いのかどうかも不明だった。いずれにしても630mはない。
北側を巻くようにして山頂部に戻り(倒木を避けられて楽だった)、合流点を経て神吉へと下った。合流点以降はよく踏まれた道で、倒木もほとんどなかった。下り切ると神留寺の東側である。民家の間の道を下り、車道に出た。神吉公民館のバス停まではすぐだった。
写真、上は千歳山の山頂である。下は神吉公民館のバス停である。昔ながらの火の見櫓がある。
2022/04/11