川北英隆のブログ

国会議員の資産公開のお笑い

昨日、衆議院議員の資産が公開された。それを見て、「変やな」と思わなかっただろうか。金融資産が「ゼロ」という議員が多数いたことである。「そんなんで、よう生きてるな」。
お金がなければ現代社会では生きられない。とするのなら、「金融資産がゼロ」にはカラクリがあるはず。よく見ると、国会議員資産公開法での金融資産とは「定期預貯金や有価証券(株式を除く)などの総額」とある(日経新聞)。
言い換えれば、現金や普通預金が除かれる。金利ゼロの時代に定期預金に預けようなんて誰も考えない。つまり普通預金にしておけば資産公開をしなくてすむし、何の損害も被らない。そんな抜け穴が設えられている。
さらに気づいたのだが、資産公開法での株式は株数を公開すれば済むらしい。これも「変なの」である。1株100円の株式も1万円の株式も一緒くた、つまり潰れそうな企業の株式も隆々とした企業の株式も同じに扱われている。参考までに、税務上、一定以上の資産を保有する者は税務署に資産の内訳を届け出ないといけない。その届け出だが、株式の場合は株数ではなく、金額である。さすがに税務当局には経済的な感性というか知識がある。
以上は、国会議員資産公開法がおざなりだとの証拠である。総理大臣を含めた議員の誰もが、国会議員資産公開法が時代にそぐわないと意見表明していないから、「変なの」「国会議員の中には現預金なしに生活している仙人みたいのがいるのかな」となる。国会に出席するのに雲に乗って来るのがいるとは聞かないから、「ひょとして人を食っているのでは」とのお笑いになる。「金融の知識なしに政策を打ち出しているのかいな」というのが本質に近いのかもしれない。
国会議員資産公開法がどこの省庁の管轄なのか調べていないものの、「もう少し真面目にやれや」と思うしかない。ますます政府や議員に対する信頼を失ってしまう。

2022/04/12


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