松尾山からは北西に下る。ヤマザクラが目立った。途中から白髮岳が見えてくる。広葉樹林の木の間からのため全容はなかなか見えないが、小さいながらも鋭鋒である。
南の沢から上がってくる道を合わせた後、白髮山の前衛的なピーク(689m)、水山への上りとなる。ヤブツバキが多く、少しトンネル状になった道を上る。灌木はまだ芽吹き始めたばかりだった。当日は風が強く、タムシバかコブシの白い花びらが登山道に2枚、3枚と散っている。
水山からは大きくないブナの混じった尾根を下り、すぐに白髮岳へ登り返す。脆い岩の斜面を直登するように道が付けられ、古びたロープが両脇に張られている。ショウジョウバカマが咲いている。ところが白髮岳は人気の山で、加えて白髮岳の南側から登ってくるのが手軽なコースなのだろう、下山者と出会ってしまう。そのすれ違いが大変だった。
白髮岳の山頂は東西に少し長く、岩混じりで、平らな場所が少ない。三角点(721.5m、点名は白髮岳)があり、木も少なく、四方に展望が効く。3月に歩いた大船山らしき姿もあった。残念ながら先客がいてラーメンを作っていたため、動き回るのを遠慮したが。
山頂から南に下る。しばらくは広葉樹の多い尾根道を楽しめたのだが、その直後に大きな岩場にぶつかった。岩稜を少し進んだ後、岩の東側を下る。張ってあるロープがかえって邪魔なほどの乱雑なコースになっている。それが終わると再び広葉樹林の多い尾根道になり、東側向きの枝稜に入り、やがて谷に下る。早くもツツドリが鳴いていた。銀鉱を掘った跡を見て、林道に出る。バイクが2台停まっていた。
林道を下り、住山という村落に出る。途中に車止めがあり、その近くに駐車場がある。10台近くの車が停まっていた。白髮岳付近で出会った登山者の車だろう。
後は車道を下るだけだった。田植えの準備が始まり、カエルが鳴いていた。古市の手前で振り返ると白髮岳の大きな姿を初めて見ることができた。
国道372号線にぶつかるので、左(東)に折れ、線路を渡り、宿場町だった古市に入る。旧道を歩くと、賑やかだった頃の史跡がいくつかある。家並みの真ん中付近から左に折れると駅である。
写真、上は白髮岳の山頂、下は山頂から見た篠山盆地である。そうそう、この山域にはシカやイノシシの痕跡が少なく、また獣避けの柵もなかった。墨山にはジビエと書いた看板があった。篠山はイノシシで有名だから、食べ尽くされたのか。
2022/04/18