今週の山は北国街道を中心に歩いた。滋賀県の中河内(なかのかわち)から栃ノ木峠まで歩き、木ノ芽峠に立ち寄り、鉢伏山に登ってから福井県の今庄に出た。
4月末、柳ヶ瀬山と行市山を歩いたときに書いたように、北国街道は福井から滋賀への最短距離の道として柴田勝家が整備した。その街道の、越前と近江を区切る峠として栃ノ木峠がある。この峠を一度歩いてみたかった。
というのも、中学生の頃だったか地図を見ていて、国道8号線や北陸本線が滋賀から福井へとどのように越えるのだろうか興味を持ったからである。その時、栃ノ木峠や木ノ芽峠の名前を知った。えらく即物的な名前だったことも関心を高めたのかもしれない。
それらの峠に京都から行くには、北陸本線の木ノ本駅で降りる。4月末のように、駅前から余呉バスの中河内行きに乗る。中河内から先は栃ノ木峠に国道を向って歩く。過疎の地域だから、歩くにはこれが幸いし、悠々と栃ノ木峠に着ける。
栃ノ木峠からは国道を下らず、稜線に沿って北西に付けられた舗装道を木の芽峠へと歩いた。この木ノ芽峠は敦賀から福井への街道(北陸街道)に立ちはだかる難所である。昔は栃ノ木峠か木ノ芽峠かを越えないことには福井と京都を行き来できなかった。
今はというと、栃ノ木峠から木ノ芽峠への歩行は、やはり悠々である。車はもちろんのこと、誰一人見かけなかった。ワシ(多分)が一羽、ゆったりと空を飛んでいた。
木ノ芽峠からは鉢伏山(761.8m)を往復した。スキー場になっているので「大したピークでないかもしれない」と思っていたのだが、山頂付近にいろんな設備があるのを脇に置くと、なかなかのピークだった。
木ノ芽峠に戻り、後はスキー場の道を下り、栃ノ木峠を下ってきた国道に出て(実は木ノ芽峠の下をトンネルでくぐってきた別の国道を合わせている)、後はひたすら今庄を目指して歩くだけだった。これが、それまでの疲れもあり、結構長い。車も多くはないのだが、中河内から栃ノ木峠への登りと比べると気になる。
全体として道は問題ない。豪雪地帯とはいえ、雪はすっかり消え、タニウツギ、ヤブデマリ、フジが満開だった。ホウの花もそこここに見られた。
合計の距離数は20キロ少しだろうか。5時間かかった。昔は、今庄から木之本までの36キロ程度を1日がかりで歩いたという。その半分程度を、寄り道しつつ歩いたことになる。
写真、上は栃ノ木峠の説明書き、下は木ノ芽峠の説明書きである。
2022/05/18