道元関係の石碑の奥から鉢伏山を往復した。すぐに観音寺丸城址の表示がある。その先にブナ林がある。それを抜けると車道を歩くようになる。鉢伏山山頂にあるアンテナ群やスキー場のリフトの整備用の道である。
山頂は車道から左(西)に少し入る。鉢伏城址でもあり、広場のようになっている。その南側に三角点(761.8m、点名は鉢伏山)があった。山頂の西から敦賀方面の展望があり、敦賀市内、野坂岳、湾が見えた。敦賀は北の玄関口だから、山頂にモスクワ4700キロ、ウラジオストク900キロとあった。少し虚しい。
山頂から往路を木ノ芽峠まで戻った。峠からは地図を真剣に見ていなかったため、スキー場の上部に出て車道を歩いてしまった。途中、言奈(いうな)地蔵へ上がる道に出会い、「そうだった、しばらく街道を歩けるのだった」と思い出した。
言奈地蔵は茅葺きのお堂の中にある。付近の山に大きな石が点在していて、その1つに彫られたもののようだった。言奈地蔵の謂れは意味深い。
言奈地蔵を見た後はスキー場の道を下った。今から考えると、言奈地蔵の前の道を歩き続けると昔の今庄から木ノ芽峠への街道だったようである。そうすると、栃ノ木峠を越してきた北国街道を歩けないのだが。
下る途中、栃ノ木峠付近、往復した鉢伏山(正確には山頂付近)、そしてうっすらと白山が見えた。スキー場の道を下り終えて国道365号線(プラス476号線)へ出る手前に板取宿への道がある。それに入ると、手入れされた茅葺きの建物群が残されていた。関所があったとかで、その一部が再現されている。事前に何も調べておらず、ひたすら国道を歩くだけかと思っていたこともあり、十分に楽しめた。民家は開放されているようで、その1つに入ろうかとも思ったが、先客らしき者が寝転んでいたので遠慮した。
その後はほとんど国道歩きなのだが、時々由緒ありげな建物もある。それらに気を紛らわしつつ、ひたすら歩いた。北からの向かい風が強く、気温の高い日だったために最後は「長いな」と感じつつ、今庄に入った。
今庄では名物のソバを食べようかと思っていたのだが、1時間に1本の電車まであまり余裕がなかった。今庄の町並みを見て造り酒屋が残っていることを知り、駅の売店で1本購入して満足した。
上の写真は鉢伏山山頂である。遠くに敦賀湾の西側を区切る半島の山(西方ヶ岳)が写っている。三角点は左手の土手の上にある。下は言奈地蔵を祀ったお堂である。
2022/05/21