6/22に「安く買い高く売るは不可能」と書いた。つまり「短期の売買で利鞘を得よう」と考える全投資家の損得を足し合わせればマイナス(損失)でしかなく、競馬や宝くじと同様に賭博であり、投機だという事実である。この逆が株式の長期投資である。
論より証拠、長期投資の成果を示しておきたい。図がそれである。
この図からすぐにわかることがある。青い線と赤い線の動きが似通っている。ここで青い線は株価(東証株価指数=TOPIX)の水準である。赤い線は企業利益(営業利益)の金額である。
この図が示すのは、企業の利益が増えるとともに株価が上昇してきた事実である。言い換えると、企業の成長とともに株価が上昇し、利益が得られた。
ただし、1985年頃から2000年初頭にかけての、大きな山と谷の時期を除かないといけない。この20年間近くは、日本に株価と地価のバブルが生じた後、それが崩壊した時期に相当する。ここからの教訓がある。株式市場が浮かれていないかどうかに注意が必要である。
株式市場が浮かれていなければ、また企業すなわち経済の成長を信じるのであれば、株式を買い、後はそれを長期に保有すればいい。これが株式投資の大原則である。
この大原則に2点を付け加えたい。1つは配当である。もう1つは企業の選別である。これらについては次回以降のブログに続けて書いておく。
図の注:企業の営業利益は財務省「法人企業統計」のうちの大企業(資本金10億円以上、ただし金融・保険を除く)の数値を用いた。法人企業統計は国内企業に関する統計であるため、日本企業の海外子会社は含まれない。その上で、株価、営業利益の数値を対数値に直し、1969年度(株価は年度末)=100として図示した。対数値にすることで、図示した線の動きは変化率を示すことになる。
2022/06/26