昨日、「池尾和人先生と語る会」に出席した。『池尾和人と語る』(文藝春秋)の上梓日でもある。アマゾンでも展示されている。
昨年2月21日に池尾さんが亡くなった。その後、京都大学と慶応大学のゼミ生が『池尾和人と語る』の出版を企画し、昨日それが完成した。
昨年2月22日のブログに池尾和人氏の逝去を書いた。その少し後に奥さんからメールが届き、さらに秋だったか、文集を作りたいと元ゼミ生から連絡があった。それが完成したわけだ。
奥さんを代表に、(その場で数えたわけでなく目算で)70名ばかりが帝国ホテルの宴会場に集まった。執筆者と元ゼミ生が着席方式で、池尾さんを話題に語った。元ゼミ生を含め、何人かのスピーチもあった。財政や金融に関していくつかの興味深い話題も(短いスピーチだから、断片的に)混じっていた。
新幹線での帰り、受け取った『池尾和人と語る』をパラパラと見た。池尾さんの病気との闘いも記されていた。最後まで仕事をする姿が目に浮かび、池尾さんの日本の金融に対する使命感がひしひしと感じられた。
その使命感に日本は反応しているのだろうか。三島駅を過ぎた付近だった。気を晴らすために窓の外を見た。梅雨の小雨が蒸気に変わって丘の斜面に湧き上がり、低い雲が夕闇近い空に流れていた。その遥か上に、富士の円錐形の影が薄っすらと伸びている。いい一日だったと目を閉じた。
2022/06/19