六甲山の山頂から西へ、草原の中を下った。階段を経て、一軒茶屋の北側に戻れる。その手前に広場があり、休息所兼トイレがある。そこで水を少し補給し(といっても5秒程度で止まる蛇口で)、宝塚へと向かった。
宝塚への下りは六甲全山縦走コースの一部なのだが、車道歩きの部分があり、また雨水で荒れた箇所もある。車道はともかく、荒れた道混じりの全山縦走を1日で終わらせるのは難易度が高いと思えた。
休息所兼トイレからいきなり車道歩きである。アンテナ施設のあるピーク(後鉢巻山)の南側を通り、隧道をくぐり、ヘアピン気味の車道ではカーブミラーとストックを使って向かってくる車に合図を送り、何とか当日一番の難所を抜けた。
ついでに書くと、いつも使っているヤマレコの地図は、さすが六甲山、「足跡」が多くて地形が隠れている。そこで予備のジオグラフィカに切り替え、地形を確かめた。
宝塚への尾根道に入り、最初の小さなコブが水無山(804m)である。大阪湾が見えた。次に越すピーク(792m、白雲台?)から道が悪くなる。途中の岩陰で休息し、舩坂峠へと下った。縦走路は急坂部がえぐれているようだ。舩坂峠の西側もそうである。
峠から珍しく植林の中を歩く。ここで宝塚に下る登山者に追いついた。この人はピークに構わずに下るものだから、こちらが寄り道する度に抜かれ、結果的に宝塚まで一緒だった。
比較的平らなコースが続いた後に車道に飛び出す。アンテナ施設用の道である。車道を左手へ上がり、アンテナの北側に回る。そこから左へ踏み跡に入ると、すぐに三角点(681.2m、点名は西山)である。大平山と呼ばれている。林の中で展望はない。
三角点から南へと踏み跡が続いているので、それを下って車道に出た。車道との間が急で、しかもウルシの幼木が複数あり、苦労した。その後、車道が北に曲がる部分で山道に再び入る。悪い道を下ると大谷乗越と呼ばれる峠である。峠越えの車道を横断する。
峠から先は小さなピークを巻きつつコースが付けられ、譲葉山の領域に入る。譲葉山は西、中、東、北にピークが分かれるらしく、それぞれ踏み跡も付いていた。今回は北峰(526m)と東峰(514m)を訪ねた。地形図には北峰に譲葉山とあり、東峰には標高の記載がある。北峰には岩で組まれた祠がある。古墳跡ではとの記載もある。
譲葉山の次のピークが岩倉山である。コースから北に折れればすぐに三角点(488.4m、点名は小林)があり、その後ろに祠がある。最高点は祠の西側である。
岩倉山からは下りになる。神社があり、砂山権現と呼ばれているらしい。名の通り、その先は花崗岩質の砂の下りとなる。深くえぐられている。200mばかり下ると塩尾(えんぺい)寺の境内に出る。宝塚温泉と同じ塩分を含んだ水が湧くとか。
その後は車道の下りである。塩谷川の左岸を下り、武庫川を渡り、宝塚駅に着く。六甲山から4時間かかった。
上の写真は譲葉山北峰の祠、下は岩倉山の三角点と祠である。
2022/08/21