今回、六甲の東側を歩いて感じたのは自然の豊かさである。とにかく広葉樹林が良かった。その中に大きな赤松が枯れずに残っていたし、下草の笹も生き生きしていた。関西の低山として一番ではないだろうか。その理由は何か、少し考えてみた。
1つは国立公園(瀬戸内海国立公園)として指定されてきたからだろう。もう1つは、これと対立するかもしれないが、大都市近郊にあるため、ある程度開発の手が入ってきたことである。
開発の手に否定的な見方もある。しかし人の手が入らないと、たとえばシカが増え、下草が食べられてしまう。以前に書いた例だが、鈴鹿の北端、霊仙山のササがすっかりなくなってしまったのは、シカが食べ尽くしたためだろう。2019年5月25日の産経新聞に記事がある。
この点、六甲でシカやその糞を見ることはなかった。もっとも、東お多福山の草原はシカに食べられたことから、現在、再生中なのかもしれないが。なお、イノシシが食べ物をほじくり返した跡は六甲にもあった。
車道が付けられ、車が適当に通ることも幸いしているのだろうか。また豊かな市が多いため、対策費が出ているのだろうか。
もう1つは、1956年に国立公園に指定されたため、植林が進まなかったのだろう。その後66年も経つと、山の景観が自然に帰っていく。明治初期に燃料として伐採し尽くされた感のある(そう書かれている)六甲山が様変わりしたのだろう。「六甲を活用する会」の記事にリンクしておく。
六甲の自然がどうして豊かなのか、もっと調べる価値がありそうだ。
写真は、一軒茶屋に向かって尾根を登っているときに見かけた広葉樹林である。
2022/08/21