川北英隆のブログ

ムカゴ飯を食べる

ムカゴって知ってるだろうか。ヤマイモ類の茎にできる小さなイモみたいなものである。そのムカゴでヤマイモ類は増殖していく。そういうものがあるのは子供の頃から知っていたが、それが食べられ、美味いとは。
30年以上前、三鷹の外れの借家に住んでいた。住んで最初の頃は(1977年)、家のすぐ横に雑木林があり、まだ武蔵野の雰囲気が残っていた。武蔵野を描いた日本文学を読もうと思ったくらいだし、実際に何冊か読んだ記憶がある。
借家の近くに大きな畑があった。夏には稲を植えていたのだが、いわゆる陸稲だった。武蔵野台地の水は豊富ではない。
秋になると、その畑の脇(簡易囲い)に伸びていたイモのツルの、葉が分かれる部分に焦げ茶色の丸い小さな塊が見られた。それが初めてに近いムカゴだった。
カミさんのネコ友達がそれをカゴに摘んでいた。宮崎出身で、それを食べるという。わが家も真似をして、少量ながら食べたように思う。イモだから意外に食べられる。塩蒸しなのかご飯に入れたのかは忘れた。
そのムカゴが京都のスーパーで売られていたという。鳥取県産らしい。最近では栽培して食用にしているのだろう。鳥取だから、今では砂丘でナガイモを栽培している。その副産物としてのムカゴかもしれない。
その日に見たテレビでも、精進料理として、古代米、ムカゴ、ギンナンでご飯を炊いていた。美味そうだった。
そこで今日のわが家も古代米とムカゴのご飯になった。奈良盆地の都会(?)では、そんなものは食べない。実際はというと、意外に美味だった。多様な食材を食べられる意味からも、お勧めである。

2022/09/06


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