今日の日経新聞の1面トップは「止まらぬ円安 縮む日本」である。4月以降、このブログで書き続けてきた真実に、なんとか気づいてくれたと思う。
要するに、円安は日本にとってマイナスであり、大敵である。逆の主張、「円高は経済の敵」との経済界からの主張や嘆願は、自分たちの利益しか見ていない。国民というか日本経済全体のことを無視している。その経済界の嘆願を鵜呑みにした政治は、メガネやコンタクトレンズを外したままだったのだろう。本来、メガネやコンタクトレンズの代わりを果たすべき日銀も黙ってしまい、正しくなかった。
ブログの記事を探し出してみた。
4/20「円高の善悪は善しかない」
5/4「円安再考」
5/23「円安はプラスの変な議論」
その後も円安について書いているが、趣旨は「先進国通貨建ての海外資産を持とう」である。「円安はマイナスだ」といくら議論しても何も起きないから、それなら自衛しようということ。一種の諦めか。
それはともかく、今日の日経の記事には識者のコメントが添えられている。1つは一橋大学の野口悠紀雄氏である。「通貨安は国力を低下させる」とする。もう1つはパリバ証券の河野龍太郎氏(為替と金融政策のプロ)である。「円安が続かないと生存できない企業が増え・・賃金低迷を招いた」とする。
いずれのコメントも正論である。正論故に日本にはびこるゾンビ企業には面白くない。そこでこれらの主張が無視されてきたのだろう。
思い出したが、日本電産の永守氏は確か「円高が望ましい」とコメントしていたように記憶している。別の企業から聞いた話だが、円安を糧としたゾンビ企業が仕掛ける価格競争は「困ったもの」らしい。まさにゾンビとのいつ果てるともない戦いである。
残念ながらそういう優れた企業は経済団体では力がない。むしろ意識的に離れている。しょうもない議論をする時間なんて皆無なのだろうが。
2022/09/19