円安を絶好の機会ととらえ、海外から旅行客を呼び込もうとしている。すでに京都には西洋系の外人が目立つようになってきた。北海道ではニセコや富良野に人気を先取りした動きがあるとか。
美しい森林、豊富で軟らかい水、繊細な食材、それに溶け込んだ家屋などは日本の宝である。資源と表現してもいい。企業が持続的に(つまり倒産などしないで)成長していくためには、環境(E、Environment、)や社会性(S、Social))が重要だとされる。国も同様に、EやSを大切にし、発展していかなければならない。
このことを前提に友人と話していたら、怒りの声が発せられた。「資源は高く売るのが原則やのに、観光に関しては安売りすればええと勘違いしてまっからな」と。京都には中国本土からの観光客はまだ少ないようだ。でも14億人が安い日本に押し寄せればどうなるのか。「100年後の京都はすっかり中華街になるのでは」と友人が予言した。
ニセコは日本の中で「発展している町」だとか。日経のニュースには富良野が「第2のニセコ」になるのではと書いてあった。1億円以上するコンドミニアムが飛ぶように売れているとか。
かつて円高の時、日本の不動産会社がニューヨークはマンハッタンのビルを買った。個人がハワイにコンドミニアムを持つのが流行った。それと同じことが起きているのかもしれない。しかし、日本とアメリカの距離に比べ、隣国と日本の距離は目と鼻の先である。日本人の祖先が海を渡ってきたことを思い出すと、「100年後の京都はすっかり中華街」だけでなく、「100年後の日本人の姿形が様変わり」になっているかも。
その頃、美しい森林、豊富で軟らかい水はどうなっているのか。家屋は変わってしまうのだろう。繊細な食材は油炒め中心になるのだろうか。
僕が健康で動き回れ、しっかりと飲み食いできるのはせいぜい10年少しだから、どうでもいいと言えばどうでもいい。それまでに今の日本を堪能しておきたいものだ。
2022/09/27